[No.836]
人生力が運を呼ぶ
投稿者:男爵
投稿日:2011/12/30(Fri) 13:25
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木田元・渡部昇一:人生力が運を呼ぶ
木田元は新潟市生まれ、本籍地は山形県最上郡。
3歳のとき一家で満洲に渡る。
ずっと満州で暮らしてから、海軍兵学校に入る。
海軍兵学校では4か月在学して終戦を迎える。
東京に出て上野で声をかけられ池袋でテキヤの手伝いをする。
軍の倉庫の隠退蔵物資(かんたんにワープロ変換できた!)の情報が入ると
オート三輪で乗り付ける。
堂々と「隠退蔵物資テキハツ」など叫びながらやった。
しかし、これは盗みであった。日本の警察は弱体して本気で追っかけてこないが、MPはピストルを撃つからこわい。
それから山形県の新庄に疎開する。
そのうち母と姉弟たちが満州から引き揚げてきて
家族と鶴岡で暮らす。
代用教員と闇屋をしながら一家五人を養う。生活力のある若者がのちに哲学者になる。
鶴岡に新設された山形県立農林専門学校(現在の山形大学農学部)を経て、東北大学文学部哲学科に編入学。
山形県立農林専門学校に在学して貯金もなくなりかけたころ父が帰国、ようやく生活費の心配から解放される。
毎日八時間から十時間に及ぶ独学ののち、東北大学文学部に入学する。
ここまでの人生を読むとおもしろい。終戦後日本人はみな混乱のなかで生き延びた。