画像サイズ: 640×359 (92kB) | ドロミテ山塊の東側 6
さて、この日は郵便バスで、リエンツから、グロスグロックナーの北側へ抜けて、超ローカル列車で「ツェル・アム・ゼー」へ行くことにしました。 グロスグロックナー(3,798m) は富士山よりは少し高いですが、オーストリアとしても最高峰です。ここは、もうドロミテ山系ではありませんが。 40年前は、フランツ・ヨーゼフ峠の展望台を通る郵便バスがあったのですが、2−3年前に廃止になりました。(クルマ社会でバスに乗る人が減ったのでしょう)。 しかし、西側から、グロスグロックナーを越えて(長いトンネルも抜けて)北上するポストバスがあると知って(オーストリア政府観光局のFacebookで問い合わせて情報をいただきました )、有名観光路線ではありませんが、それも面白いと思って乗ることにしました。でも有名観光路線でない乗り物を「エトランゼ」が乗りこなすのはなかなか大変です。 バス停が見つかっても「だれも待っていないけれど、本当に、このバス停でいいのかな」と不安になってきたりします。 出発間近になりますと乗客が少し集まりました。「子ども連れのおかあさん」など地元民が多かったです。 バスは定刻通りにやってきて、われわれを乗せると、のどかな牧草地をのんびりと走り出しました。ローカルバスの役目も持っているらしく、幾つものバス停でまめに停まります。 村々を抜けて、いよいよ山岳地帯に入りますとバス停はありません。つづら折りの道をぐんぐん登っていきます。長いトンネルに入る前には、貫禄あるグロスグロックナーが目の前に迫ってきます。しかし、天気は悪いし、バスは結構スピードを出しますので、ろくに写真は撮れませんでした。 長いトンネルを抜けますと、鉄道の駅がある「ミッターシェル」に着きます。70分のバス旅です。 ここからは、列車で ツェル・アム・ゼーへ向かうのですが、客室の椅子は、ご覧のような小学校なみの大きさです。 でも。車窓の眺めは素晴らしです。 途中で、高校生が乗ってきたり降りたりしていました。通学路線でもあるのですね。 そうこうしているうちに列車は「ツェル・アム・ゼー」駅に着きました。1時間の旅でした。 ところが、ツェル・アム・ゼーの駅についたらスーツケースがありません。女車掌さんに聞きますと「荷物は、ホームにおろしておいてあげたわ」と仰せられる。実は、この車体はステップが高くて、スーツケースを持ち上げるのは結構難儀なのです。 三セクか、四セクで辛うじて運営している超ローカル路線かもしれませんがこの親切に感激。どこの国に、お客さんのスーツケースを降ろしてくれる鉄道会社がありますでしょうか。やはり「ゲミュートリッヒカイト」の国です。 こういう「親切との出会い」があるから、旅はやめられないのです。 |