…再び謡曲の話題でご機嫌を伺います。…
ボクが一番好んで謡う(実は、唸ると言うのが実態…笑)謡曲は
「猩々」です。
♪♪是れは唐土(もろこし)かね金山の麓 揚子の里に高風と申す
民にて候。さても我親に孝あるにより ある夜ふしぎの夢を
見る。揚子の市に出でて酒を売るならば 富貴の身となるべ
しと♪♪
と言う訳で夢のお告げに従って揚子に店を構えて酒屋を営むと
その内 次第にお金持ちになった。ところがいつの頃からかいつ
も酒を飲みに来る客がいて、幾ら呑んでも赤くならないし、酔い
もしない。不思議に思って名を尋ねると、(潯陽の)「海中に住む
猩々である」と答える。
ある日 高風は潯陽江へ出かけ 猩々と酒を酌み交わす。宴も
終わる頃になって、「有難や御身心素直なるによりこの壷に泉を
たたえ唯今返し阿多振るなり」と 猩々は一つの壷を与える。
いつの間にか酔い潰れ眠ってしまった高風がふと目覚め 今の
は夢だったかとあたりを見回すと 貰った壷は確かにそこにあっ
た と言うお話…。
実はyoutube で猩々の「能」を探したが見つからない。その代り
謡曲「猩々」をバックにしたバレーを見つけたので紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=hT_dcPdYic8
瀬里恵