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[No.443] 雪の味 投稿者:男爵  投稿日:2013/02/13(Wed) 09:32
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そこで
 雪の味
を紹介しましょう。

著者は天から降ってくる雪が
どんな味か興味があるのです。

空を見て
大きな口をあけて
降ってくる雪の粒を口に入れてみる。

少し積もった雪をみると
ベランダや庭に出て行って
すくい取ってみる。
それを口に入れてみると
ホコリのような、カビのような、嫌な味がする。

そこで時間がたつと
大量の雪のフィルターでこされて、少しはきれいになっていくのではないか。
そう考えて6時間たった雪をすくい取って味をみると
嫌な味が薄まっている。
それから6時間後、嫌な味はさらに薄まった。

さらに6時間もたってから
著者は洗面器で山盛一杯、雪を盛り込んで部屋に戻る。

この雪で、かき氷を作って楽しむ著者。

ところで
宮沢賢治の作品に
 永訣(えいけつ)の朝
というものがあります。

賢治の
妹トシ(とし子)が亡くなるとき
熱を出していたので
冷たいものが欲しかったのでしょう。
外に降っているみぞれ雪が食べたいから
とってきてほしいと頼むのです。

 けふのうちに
 とほくへ いってしまふ わたくしの いもうとよ
 みぞれがふって おもては へんに あかるいのだ
 (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

 青い蓴菜(じゅんさい)の もやうのついた
 これら ふたつの かけた 陶椀に
 おまへが たべる あめゆきを とらうとして
 わたくしは まがった てっぽうだまのやうに
 この くらい みぞれのなかに 飛びだした
 (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

「あめゆじゅ」とは「あめゆき」、つまり「みぞれ(雪)」のことです。

「サンダカン八番娼館」を書いた山崎朋子が
アメリカ講演旅行で偶然聞いた話がもとで
それから精力的な調査取材を終えて
「あめゆきさんの歌」を書いたとき
読者から
 「あめゆき」なる造語が山崎朋子が作ったのだが
もともと、東北には「あめゆき」という雪を表す言葉があると
指摘があったそうです。

そのときまで、山崎朋子は「あめゆき」という雪の言葉を知らなかったようです。

もちろん、山崎朋子はアジアに出稼ぎに行った「からゆき」さんに対して
アメリカに出稼ぎに行った「あめゆき」さんをさしていたのですが。

http://www.mellow-club.org/cgibin/free_bbs/11-danwasitu/wforum.cgi?no=3558&reno=3557&oya=3540&mode=msgview