白井重行:心に灯をともす教育
この著者は大阪市立北陵中学校の校長のとき 「生きている緑の学園」という著書を書いている。
教職員と全校生徒が一緒になって、芝や草を一本一本植えていって すばらしい緑の学園を作った。 やがてそれは校門を出て、隣接する街角の道路にまで広がって 地域のオアシスともなった。
校長先生の目から見た学校教育のあるべき姿を書いている本ですが 私は、これを生徒の学校体験のひとつの資料としてみて 無理にこの部屋のテーマにあわせて、なんとか記事として紹介しようと思います。
郊外教育の一環として 秋晴れの一日を、京都東山方面に遊び 将軍塚で昼食をとって、楽しい休憩時間をすごした後 知恩院を経て四条河原町への道を、各班ごとに移動した。
ところが、生徒に渡してあった地図が不正確であった上 設置した道しるべも不十分であったため 道に迷った班がいくつも出た。
特に遅れた第四班はずいぶん遅れて到着した。
彼らは ひどく心配して待っていた先生方の気持ちを知らず 駅の近くで土産物を買ってゆうゆうと帰ってくるやいなや 「○○先生の道の教え方が悪かったから...」等と その先生に抗議したものだから、この校長にとっちめられてしまった。
一人ではなく大勢だから、道に迷った不安も少なく なんとか駅までたどりついたので安心して お土産を買う気持ちにもなったのだろう。
京都に不慣れな生徒の立場からすると 正確な地図を持たされても簡単に歩けないと思われる。 まして不正確な地図では、きっと苦労したことだろう。
いまなら生徒も携帯電話で先生に聞いたり、刻々いるところを報告したりするから 先生も対応できてそんなに心配しないだろうが。
オリエンテーリングというゲームがあるが 地図を見ながら、知らないところを歩くことは一種のスポーツみたいなもので 楽しんだり知的ゲームと考えられるかもしれない。
「喫茶室」で話題になっている 本「話を聞かない男、地図が読めない女」を読むと 地図を見ながら目的地に到達することはなかなか大変な仕事だということがわかります。
大きな町ほど、道路も建物も多いから、目印の建物や交差点などが 簡単に判別しにくいのです。
知らない町で道を探しながら歩くとき 勘のいい人もいますが、勘の悪い人もいます、
|