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[No.1724] Re: お母さま 投稿者:男爵  投稿日:2016/09/08(Thu) 07:18
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 ムーミンママさん、みなさん  おはようございます。

> お母さま で始まる歌を思い出します。
>
> 「あした」 作詞:清水かつら 作曲:弘田龍太郎

> お父さんが船で帰ってくる。
> そのお父さんは船員? 漁師?
> 不思議な歌です。


下記のような説明を見つけました。

清水かつらの背景
 清水かつらには、「靴がなる」(大正8年)、「緑のそよ風」(昭和21年)、「雀の学校」(大正10年)と、明るい詞のものがある一方で、「叱られて」(大正9年)や、「あした」(大正9年)がある。

http://www13.big.or.jp/~sparrow/MIDI-shimizukatsura-den.html

 これはどうも、4歳の時に母と別れた清水かつらの生い立ちと深い関係があるようです。
清水かつらが2歳の時、かつらの弟を亡くした母は精神に変調をきたし、一家を去らなければならなくなりました。
その後新しい母が来て、継母との確執の中で、「叱られて」に繋がって行きますが、この「あした」は実の母が家を去らなければならなくなって絶望的な状態にあった時期の、幼児<清水桂>の記憶の中にあったものとおもわれます。

 「あした」は一般に<赤い船に乗って帰ってくる父を楽しみにして待つ母子の会話>ということになっているようですが、そう単純なものとは思われません。
状況は「里の秋」と同じようですが、「里の秋」の母子が父の復員を確信し、落ち着いた希望に満ちた雰囲気であるのに対し、この「あした」はとても不安定な状況です。
なぜ母はずっと泣いているのか?なぜ幼児が母を諭さなければいけないのか?朝、浜に出れば赤い船が本当に見える可能性があるのか?物でなく笑顔がなぜ一番のお土産なのか?普通はあり得ない<赤い船>の象徴するものは何か?・・・謎だらけです。

こうした状況から、この歌はシベリアに抑留された”父さま”を待ちわびる歌だ、という人もいますが、いかんせん、書かれた年代が違います。
大正9年という年は、鈴木三重吉の<赤い鳥運動>の始まった翌年です。
母が精神の変調をきたし、頼るものは父親しかなくなった幼児の心の変遷の日々が見えるようです。


作者の心の歴史とか、ふとしたことの感情のできごと等が歌の背景にあるということは
色々な歌についてありそうです。

それはそれとして、作られた背景などに関係なく、歌を楽しんだり悲しんだりするのも鑑賞でしょう。

歌をつくった作者に思いやるのもよいし、それとは関係なく歌を楽しんでもよいのです。


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