[No.1178]
ボランティアの光と影、 ボランティアは安価な労働力にあらず
投稿者:びっくり爺
投稿日:2015/12/19(Sat) 13:17
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皆さん
ボランティア活動は社会を明るくし、ボランティアをする本人も世に役立つことを
自覚して満足、あるいは「生き甲斐」と感ずることができる行為です。
しかし一方でこの善意を利用して人件費を安くしようとする動きもあります。
このところ長引く不況で地方自治体の財政状態は困難を極めています。以前は市町村
が自前で運営していた各種行事や文化活動等に、多くのボランティアの参加を求めて
実施しているのが実情と思われます。この辺までは多くの方が是認するところです。
行事でも文化活動でも同じですが、指示に従って作業する人と事業全体の企画、人員
配置、指揮命令系統を司るマネージメント部門の両方が必要です。
ボランティア活用の初期段階では、マネージメント部門は従来からの市町村の担当者、
作業員はボランティアというタイプが殆どでしたが、財政がひっ迫するにつれマネー
ジメントも含めてボランティアに丸投げするケースが多くなってきました。
一つの仕事をマネージメントするには知識・経験・リーダーシップが必要で、それだ
けの能力を持つ人材は多くありません。その結果特定の少人数の人材に過重の負担が
かかり、私生活を犠牲にし、最悪の場合健康も害する事態になります。周囲がそれを
見て交代要員を引き受けることを拒む結果、辞めたくても辞められない状態になります。
上記の例は市町村がボランティアに直接丸投げする例ですが、民間企業、NPOに業務
委託するケースも年々増加しています。この場合安く引き受けた企業・NPOは人件費
抑制にボランティアを活用し上記と同様ボランティアの特定の人材に負担が集中します。
これは趣味の会・各種地域活動でも同じで、これらの役員・幹事に負担がかかります。
このようにボランティア活動は世のため人のためという「光の部分」と特定の人材に
負担がかかる「影の現実」があります。
短期間で誰でもできるボランティアは問題ありませんが、継続性があり且つ何らかの
能力や経験が必要なものは体力、家庭を含めた余裕時間を考えて行動することが肝要です。
シニアの皆さんは永年の人生でいろいろな知識・経験・能力を持っておられ、これを
ボランティアとして世に役立たせたいと思うあまり無理をしがちになりますので注意
が必要です。無理せずに末永くボランティアを続けられることが望まれます。
以上、私とボランティア仲間の体験から私見を申し上げます。
びっくり爺