訳者からの一言 とんぼ (深谷 幸夫) 記
昨年6月、釜山で開かれた韓日親善交流会から帰ってまもなく、雅山・朴 容兌さんからメロークラブの甲斐 幹会長宛、『들국화』が何冊か送られた。同封の手紙にハングルを多少解する人へも一冊ということで会長の幹さんの手を経て小生のところへ送られてきたのがこの本との初対面であった。
還暦間近になって手を出したハングルである。久しく勉強してなかったハングルであるが、本を開いてみると短い文章を集めた随筆集であり、何とか解読できそう気がした。そこで再度挑戦してみようとしたのが運の尽きで辞書を片手に苦難の日々となった。
でも続けられたのは、雅山さんの淡々として書かれた身辺雑記の中に隣国、韓国のひとりの老人(失礼)が人生を内省し、死を見つめ、子孫・民族、さらに日本への赤裸々な思いが伝わってきて毎日が共感、疑問、納得で知的刺激を得られた日々であったからである。 裃を着たような正調日本語を駆使される元老房のハラボハルモニムに粗雑な訳を曝すのは恥ずかしい限りであるが、メロークラブの諸兄諸姉に供覧し拙訳が日韓の親善と理解の一助になればと願って敢えて第2回日韓交流を期に紹介させていただくことにした。著者雅山・朴 容兌さんの文意伝達に不十分なところがあるとしたら責は訳者にある。 翻訳に当たっては会社時代の先輩T.Kさんに大変お世話になりました。ソウルの崔 成子さんには辞書にない語句を都度メールで教えていただいた有り難うございました。メロークラブのDOZE(杉浦幾蔵)さん、岡部の(小澤治之)さんにはPDF文書作成を、Library収録でお世話になりました。皆さんに厚く御礼を申し上げます。 平成14年3月吉日 |