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[No.15437] 小菅桂子先生の思い出 投稿者:男爵  投稿日:2010/07/02(Fri) 09:17
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> この本を大幅に加筆し、再構成した本を私は持っている。
>  小菅桂子:にっぽんラーメン物語 講談社文庫(1998)

さて
小菅桂子先生の「餃子のミイラ」(青蛙房)には
中国各地の名物料理のことが説明されていますが
この中で新疆ウイグル地区のラグメンについて書かれてあったのは
やはり、ラグメンを作る時にも、カンスイを使うという記述でした。

こん本を読んだ頃は
ちょうどウイグル人留学生と知り合いになって
何度も彼ら(彼女ら)の手作りラグメンをご馳走になったのです。
しかし、誰一人カンスイは使いません。
目の前で材料を混ぜてこねるところから観察して、しかも彼らに質問しても
そもそもカンスイという言葉も知らないのです。

そこで
よせばよいのに小菅桂子先生に手紙を書いたのです。
私の知っているウイグル人留学生は誰もカンスイを使わないのですと。
そうしたら、先生から「私は使うところを見た」とハガキが来ました。

まあいろいろな作り方があるから、そういう地域もあるのかもしれない。
そう思いました。
今から数年前に、ウルムチからカシュガルまで
2000キロ以上を車で移動したことがあります。
現地のウイグル人の案内で。この旅行はかなり疲れましたが
毎日が新疆の砂漠の自然と生活を満喫できました。

あるオアシスで、旅行者相手の食堂に入りました。
そこでも、ウイグル人の常食としてのラグメンやポロなどが
どんどん出てきて、一緒に行った日本人の先生はもう満腹と少ししか食べられない。
案内人のウイグル人は笑いながらいくらでも食べます。
ふと気がついたのは、こうして不意に客が来て、あまり待たせず
ラグメンが出てくるのは作り置きしているからではないかと気がついたのです。

私が留学生からラグメンをご馳走になるには、小麦粉をこねてから細長いうどんを巻いたものをつくり、さらにそれを素麺のように引っ張って細長くして作るのです。
それをゆでて、それから具を炒めたりして上に載せる。
だから、一時間以上かかります。そんなことをしていたら、客相手の食べ物屋はだめ。
客の注文に比較的手早く対応しないといけない。
だから前もって作っておくにちがいない。
そうすると、麺は置いておけばすっぱくなるから、カンスイを入れて中和しておく必要がある。
カンスイさえ加えておけば、作り置きの麺はすぐ使わなくても、あとから使うことができる。

つまり
小菅桂子先生の見た、カンスイを加えるラグメンとは
営業用のラグメンだったのではないかということに気がついたのでした。
小菅桂子先生は、くらしき作陽大学食文化学部教授でした。
http://miya.cande.iwate-u.ac.jp/china/image/kosugekeiko.jpg


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