[No.15660]
Re: ヒトはなぜペットを食べないか
投稿者:男爵
投稿日:2010/08/22(Sun) 07:07
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唐辛子 紋次郎さん、みなさん、こんにちは
>
> > 著者山内昶(ひさし)は京大フランス文学科卒の大学教授だった。
> 山内氏はただのフランス文学屋ではなく、パリ大学で人類学などもやり経済人類学者、民族学者などの肩書きをもっているようです。
本の扉には、甲南大学名誉教授、フランス文学、文学理論、社会思想、人類学、比較文化学、文化史を研究すると書いてあります。
さて
なぜペットを食べないか
それはタブーだから。
タブーとは「敷居を踏むな」「逆さ水をさすな」「二人箸を使うな」のようなもので
それは無意識につくられた境界を越えないことを意味するということです。
敷居は空間を内と外に切断してコスモスを作り出すものと説明してあります。
「逆さ水をさすな」「二人箸を使うな」は、この世とあの世の区別に関わっているわけです。
集落の境界に置かれた道祖神も同じような意味があるわけです。そこから外は異質の世界を意味します。
このタブーが性文化や食文化にもあてはめられます。
簡単に説明すると
性文化 自分 ー 近親* ー 他人
食文化 ヒト ー ペット* ー 野鳥獣
すなわち、性文化における近親は境界に相当してます。
食文化におけるペットも同様に境界に相当するわけです。
この本には人類学的観点から、特別な理由で特定の民族は、わざわざタブーとなっているものを食べたりする例を説明してありますが省略します。
蛇足ですが
この本の始めのほうに
日本人留学生がオランダ人のガールフレンドを殺して食べたという事件がパリで起こったことを回想しています。
そのときヨーロッパ人は、マルコポーロはやはり正しかったと思ったそうです。
「東方見聞録」にジパングでは、捕虜が身代金を払えないと、殺して(料理して)その肉を会食すると書いてあるのだそうです。