[No.15944]
小室直樹・大越俊夫:人をつくる教育 国をつくる教育
投稿者:男爵
投稿日:2010/10/19(Tue) 07:15
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小室直樹・大越俊夫:人をつくる教育 国をつくる教育
吉田松陰のよいところは、すべての人の長所を見つけ、それを伸ばし、高める教育をしたこと。
何が正しくて何が正しくないかを教えるのが真の教育である。
「いかに生きるべきか」「いかに死ぬべきか」を教える教育が必要なのに、現在の教育にはそれが欠けている。
不登校、中退した若者たちは、学校を否定しただけではなく、たとえ無意識にしても、大人のつくった戦後社会を否定したのだ。
現在の腐敗した世の中を本能的に見抜き、それを拒絶するのも立派な能力である。
戦後の日本人は、皆殺しにされず、奴隷にされなかったが、アメリカの思惑や、アメリカの命令を受けた左翼主義者や日教組のせいで、日本人の精神はここまで骨抜きにされた。
民族に対する誇りや、国家に対する矜持も失った我々は、民族の精神的支柱と日本人に対する連帯感を失い、アノミーに陥ってしまった。
アノミーとは連帯感のない状態。
自分の能力や財力の半分は、自分のため家族のために使う。しかし、残りの半分は、世のため人のために使うのだ、という気持ちを持つことが大切である。
アノミーにならないよう、連帯感を求めて、人は努力する。
連帯こそが人間の生活の基礎である。
イスラム教徒には絶大な戒律がある。一緒に一度は聖地メッカに巡礼にいくという最高の戒律がある。
急に金持ちになって自殺する人。以前の友だちともつきあえず、金持ちの仲間にも入れてもらえず、連帯感をもつことができなくなり自殺した。
安保反対、大学紛争は実に連帯感がほしいから。つまりアノミーが原因。
(ずいぶん大胆な仮説)
ヨーロッパの大学は、教授のもとに
学びたい者が集まってできた。
だから学問の自由とか、研究の自由があった。
権力の保護を受けない大学は大変貧乏だった。
ハーバード大学は1636年にできた。
アメリカが国家としては、まだ影も形もないころだった。
欧米の大学は国家よりずっと長い。
日本の場合、まず軍のエリート養成機関として陸軍士官学校と海軍兵学校を作った。
それから、明治政府が国家のための役人を作る目的で帝国大学を作った。
−−−−−−
子どもの長所や適正を見て親切に助言するという教育を、今はあまりしない。
今の日本では、受験勉強によって没個性のマニュアル人間を作っている。
そういう人間は、変化する時代についていけない。
ある時期に最も理想とされたものを、そのまま突き進めていくと
ある時期から、その理想的だったものが理想的でなくなっていき、ついには
最低のものになってしまう。
それはなぜなのかと、その分岐点を研究するのが社会学の醍醐味である。
子どもが進みたいという道を進ませてやり、好きでやりたいということを
一生懸命やらせるのがよい。