[No.16251]
Re: 古賀政男:自伝わが心の歌
投稿者:男爵
投稿日:2010/12/11(Sat) 06:42
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戦後に
進駐軍の兵隊がジープに乗って
疎開先の古賀政男を訪ねてくる。
さては戦争中に作った戦意高揚目的の歌謡曲について
戦犯容疑で取り調べられるのかと不安になりながら
古賀が出て行くと
なんと米兵たちは彼の音楽のファンだった。
彼らは戦争中にすでに日本語の勉強をしていた(進駐軍の準備?)。
そのとき、古賀政男の作曲した歌は人気があって
彼の作った歌謡曲が日本語学習と日本理解に役立ったという。
彼らは古賀のために貴重な物資を届けにきたのだった。
終戦後に米国からだけでなく
古賀はある韓国の人から、こっそりと「あなたは我々と同国人でしょう。隠していても我々は尊敬してきたのですよ。本当の名前を教えてください」と言われたという。
たしかに古賀はソウルでの商業学校を卒業している。
朝鮮半島で暮らした時期もある。
しかし、彼はこの本で書いてあるように
自分の音楽は、幼いとき育った九州での民謡とかお祭りの時のサーカスの音楽や門付け旅芸人の月琴が原点だと述べている。
戦争前に彼は日米親善のためアメリカに渡って
演奏旅行をしたが
そのときのアメリカの音楽の印象を以下のようにまとめている。
ジャズや民謡のような音楽からヨーロッパのクラシック音楽まで
アメリカ人はわけへだてなく楽しんでいる。
それに対して、日本ではクラシック音楽に代表される西洋音楽のみ尊重して
日本古来の音楽や俗曲をいちだん低いものとみなしている。
自分の国の伝統を大事にしない日本のような国は欧米にはない。
(韓国も日本のように、純音楽と大衆音楽を区別しているようである)
(日本では文学も、純文学と大衆文学にわけているが、私の高校の時ならった英語の先生によると、欧米では純文学と大衆文学という区別はないそうです)