メロウサロン 
[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

[No.16461] 塚本邦雄:ほろにが菜時記 投稿者:男爵  投稿日:2011/01/26(Wed) 12:13
[関連記事

どうでもいいことにこだわる著者

「avocado = アボカード」はなぜ「アボガド」となるのか、スペイン語の V=Bだから「アヴォカード」とは表記できないが、一方の「C」が「G」に変わることはありえない。

二年前イタリアで四人連れで某空港の珈琲カウンターにおいて
「クワトゥロ・エスプレッソ」と注文したら、ラニョリータがにっこりして
「クワトゥロ・エスプレッシ?」と反問された。

土筆料理は、酢の物から佃煮まで、数えれば十種類以上あるだろう。
どう料理するにしろ、あの野草の味わいの命は、長円錐形の頭部、嚢穂(のうすい)と呼ばれる部分の、微妙な苦味と歯ごたえ、舌ざわりにある。
茎の部分だけならほかにも、いくらも似たようなものはあるが、嚢穂の風味は何ものにも代えがたい。
この著者は卵とじを最高とする。舌の味蕾(みらい)を軽くくすぐるようなほろ苦さが、卵黄と卵白の膜をかむることによって、快く強調される。味付けはもちろん極度に淡くする。

ホウレンソウ(学名:Spinacia oleracea)は、中国では菠薐草とも波斯草とも書くが、どちらも日本では使われない。
ペルシアからシルクロード経由で伝わったからであろう。

目箒とは、イタリア料理の添え物によく使われるバジリコのこと。
名前のいわれは、この草、一見青紫蘇にそっくりで、花も実も酷似しているが、バジリコの実は、種子の表面が、湿りを帯びるとゼラチン状にふくれる。
目の中に入れるとその作用で、ごみなどをとってくれるので、この名がついたというが、単に物理的な作用のみでなく、この草にはシネオールやロリナールなどの薬成分が含まれているので、漢方では「光明子」と称して眼薬に用い、ヨーロッパでは頭痛薬にするという。

柿は日本のものが有名でヨーロッパにも売っている。
イタリアでは渋柿をそのまま店頭に並べ、人々は買って帰って、熟柿になるまで保存して食べるという。柿はChachi。
 この市に蛤貝も柿も売るカキ・ジャポネエと札を立てたり  斎藤茂吉
大正13年の秋、茂吉はパリの市場で柿を見つけて珍しそうにこう歌った。
イタリアと違って、フランス語はKAKIとローマ字通りで辞書にも載っている。


- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ※必須
文字色
書込暗証番号(必須 半角で7080を入力)
Eメール(必須 非公開を推奨) 公開   非公開
タイトル sage
URL
メッセージ  手動改行 強制改行 図表モード
暗証キー (英数字で8文字以内)
プレビュー   

- 以下のフォームから自分の投稿記事を削除することができます -
- 自分の投稿記事に返信(レス)が付いている場合は削除をご遠慮ください -

処理 記事No 暗証キー