画像サイズ: 520×390 (47kB) | きょうはパリの街角美術館ともいうべき一風変わったちっちゃな美術館を紹介しよう。
場所は、地下鉄アベス駅。地上へ出る階段にある。これはその由来を書いた説明板。(日本の地下鉄では、東京都交通局の大江戸線の六本木駅が、地下42.3メートルで日本一だそうですが、ここは36メートルでパリでは、一番深いところにある駅の一つだそうです。)
これによると、この駅が2007年改修工事をするさい、数々の芸術家を生んだモンマルトルの丘にいちばん近いこの駅に、もっともふさわしいのは、駅を現代の画家の手によって飾ることだと思いついたらしい。そこでRATP(パリ市交通公団)は、地元の芸術家協会に注文を出し、こうして素晴らしい壁画の連作が誕生した。旅行者は、螺旋階段をゆっくり上りながら、絵をひとつひとつ鑑賞することができるし、そこにはパリの歴史の匂いも、そこはかとなく感じ取れる。
かれらは、ああ、とうとう芸術の都パリに来たんだという感慨を持って、浮き浮きした足取りで町なかに出て行くというわけ。なお、これらの絵の中には、日本人と思われるYoshi IIzawaの名も見える。
歩くにつれて新しい絵が次々と現れる仕掛けは、なんといっても素晴らしいアイデアだ。また長い階段をあがる苦労を吹き飛ばす効果も、計算のうちではないでしょうか。 |