大正の部屋の皆さん、こんにちは。
みなさんの処では、初午のお祭りはしませんでしたか、私は大阪梅田 駅の近くで子供の頃を過ごしましたが、毎年初午の日には町内にある お稲荷さんで、初午の祭りがあり、年中行事としては、正月の次に来 るので、寒いさなかですが、子供心に楽しみの一つでした。
その日は学校が引けてからお稲荷さんの祠へ行くと、「正一位○○大 明神」と書かれた大きな幟が何本も風に靡いていて、小さな山車に乗 せた太鼓の音が、町内に響きわたっています。
町内の人々がお酒や菓子や果物などをお供えし、後で分けてもらえる のも楽しみの一つでした。
夜になると小さな山車を子供達が引いて、町内をくまなく回ります。 そして口々に「お稲荷さんの言いつけで、ローソク一本、センギョ、 センギョ」と唱えます。そうすると気の利いた家の戸が開いて、菓子 を手にした人がでてきて、施行してくてます。
センギョ、センギョは「施行、施行」が訛ってできた言葉なのでしょ う。子供達は、この日ばかりは町内を無心して歩くわけですが、大人 達はいやな顔もせず、無心に応じてくれたものです。
皆さんの街には、子供の頃このような行事はありませんでしたか、そ の頃の思い出と言うと、お稲荷さんのこの行事が、私の胸の中でおお きなウエイトを占めています。
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