こういう本もたまには読む必要があるかも。あっしはこの本で貧困なる脳髄が、多少とも活性化したような気がした。
もっとも、文字通り、気がしただけだったのかもしれないが…。(-_-;)
西洋中世にはやったキリスト教の聖者物語の説話、「バルラームとヨアーサフ」というのがあるが、著者の岩本裕氏は、この筆者は仏伝をもとに物語を編み出した可能性があると推理する。さらに面白いのはこのアジア起源の仏伝が、後世になってではあるが、西洋を経由し、巡りめぐってわが国に輸入されていると云う事実である。
つまりキリシタン文学の「さん=ばるらあんとさん=じょさはつの御作業」がそれだというのである。氏によると、このヨアーサフとかじょさはつ、とかいうのは菩薩(ボディサットヴァ)の転訛だというのである。まさに物語の世界旅行とでもいうべき、壮大なスケールの話である。
あっしはこの一編から、すべての定説は、鵜呑みにすべきではなく、一応疑ってみるということを学んだような気がする。またこれも、気がするだけの話かもしれないが。(-_-;)
ちなみに、この本の他のページには、西洋音楽の音階が、インド発祥というじつに驚くべき話が、エキスクラメーション・マークひとつ付けることもなく、まるで朝の挨拶でもするような調子で、じつにさりげなく書き留められていた。(@_@;)
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