[No.120]
Re: 天上の虹
投稿者:男爵
投稿日:2010/05/28(Fri) 21:44
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> 今回は里中満智子の「天上の虹」です。
> これは持統天皇の物語なのです。
> ようやく2009年12月に21巻が出ました。
> あの「古事記」を書いた太安麻呂(多安麻呂)は、なんと大津皇子の子供で
> ひそかに育てられ、大津皇子の妹大伯皇女から父のことを教えられます。
> もちろん、これは学会の定説ではなく、作者の考えた説なのですが。
> 持統天皇も多安麻呂も火葬です。日本で最初に火葬されたのは僧道昭です。道昭は唐に渡り三蔵法師の弟子となったのでした。
この漫画の主人公である持統天皇が、わが子かわいさに、強引に皇位につけようとした草壁皇子
そういうわけで大津皇子も捨てられたのですが(だから遺子の多安麻呂の気持ちはおだやかでなかったことが漫画で描かれています)
結局、草壁皇子は幼い珂瑠皇子(かるのみこ)を残して死んでしまいます。
その珂瑠皇子(文武天皇)にはなかなか子供が生まれず、やっと藤原宮子(藤原史ふひとの娘)が男子を産みます。それが首皇子(おびとのみこ)です。
この首皇子が後に聖武天皇になるのですが、この漫画で作者が
宮子は藤原史(藤原不比等)の娘なので、皇族ではないから、宮子が男の子を産んでも天皇になれないはずなのに、どういうわけかいろいろあって天皇になってしまったのだということを書いています。
これを見て、なるほど聖武天皇もけっこう無理があったのだなあと思いました。
おそらく持統天皇の厚い信頼と父の藤原史の政治力で実現したのでしょうね。
このあと
聖武天皇の妃となるのが、藤原史と三千代の間に生まれた安宿(あすかべ)で
のちの光明子(こうみょうし)、光明皇后です。
両親とも皇族でないのに皇后になることができた光明子、そのために反対したであろう長屋王は政界から抹殺されたのではないかと考えられます。
作者が次の22巻を出すのはいつでしょうか。