若い日のことだった、給料をもらった日がクリスマスだった。 恋人もいなかった私は、弟にプレゼントを買おうとして ハンドバックを覗いたら、もらった給料の袋がない! すられてしまったようだ。 プレゼントを買うどころではなく家に帰って、弟に話した。
交番へ駆け込むなど思いも寄らなかった、若い私。
翌日弟の会社で話題になったらしい。というのも、会社の 敷地の中にある社宅に住んでいたから、あっというまに 広がったのだ。
それで済めばよかったのだが、うるさい者どもいて、 「お前の姉さんは、すられたことにして、自分で使って しまうように、そう言ったんだ」となったのである。
弟と2人で暮らしていたから、お互いが生活費を出しあって いたのだ。
お金をすられた上に、そんな疑いをかけられて、私には 「二重のひやっと事故」になったのだ。
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