たまにはと思って箪笥を拭きました。下のほうを拭いている時に 手首にかぎ針が刺さったのです。 手を持ち上げるとぶらさっがているではありませんか。 障害者のTさんのキューピーの洋服を編む、細い細いかぎ針でした。
変なところへ置いていたのですね。今だから呑気に書いていますが、 その時は青くなりました。血管に刺さっていたら大変なことになりますもの。 抜いていいのか、抜いたら血が出て死んでしまうのではと、 2つ離れた知人の部屋へぶらさげたまま行きました。
私の「死んじゃう、死んじゃう」の声に、あわてて飛び出してきた 知人は見てくれて、すっと抜いてくれました。
血など一滴も出るものではありませんでした。笑い話で終わりましたが、 私に取っては死ぬ思いのいっときでした。小さな孔が残っています。
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