障害者活動ホームに行っているが、今年4月養護学校を卒後、入所してきた Mさんのことを書いてみたい。
元気いっぱいの女性で、1日中大声をあげて喋っている。もっとも職員や私 などの注意もあるので、一時は静かになるが、1分ものもたず、おしゃべりが 始まる。 「M、うるさいぞ。静かにしろ」や「Mちゃん、大きな声出さないで」など の仲間の言葉もなんのそのである。 でも、「すみませんー」などの言葉はある。
そんな彼女だが、誰とペアになるか黒板を見に行って、 「一緒です、よろしくお願いします」と言ってくれるのはうれしい。
わが隣町に住まいしているようで、私が乗り降りするJRの駅のそばのスーパー で行き会ったのだ。 入り口を入った途端、両手を広げ左右に動かしながら、私に飛びつくようにし てきたのが彼女だったのだ。笑顔はすばらしかった。
「Mちゃん、お買い物、誰と来たの」に返事はない。前にあるブランコや砂場 のあるところへ歩いていき、ベンチに座った。 しっかりものの彼女は、母親が買い物をしている間、こうして1人で遊んでい るのかと思った。別れを告げると、笑顔で応え、手を振ってくれた。
その1週間も後だったか、またもや行き会った。スーパーの中でのことだった。 「おばちゃーん、おばちゃーん」と言いながら1回目と同じ動作をしてくれた。 「えっ、おばちゃんではないわ。名前言って」に答えはなかった。 そばに小さな子どもの乗ったカートを曳いた人がいたが母親らしく挨拶を交わした。
欲しいお菓子があるようで、うろうろしだしたので、 「Mさん、私がお金少しだけどあげるわ。欲しいもの2つかって、あげてね」 カートの女の子にもという気持ちだった。 「ありがとう。ありがとうございます」とうれしそうにしてくれたのには喜びを 感じた。
その翌々日、活動ホームへ行ったが、私を見つけて、 「ありがとうございました」と言ってくれたのはうれしかった。
その後もホームで会うと、そばへ飛んで来てくれて、あいさつをしてくれる。
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