永六輔:学校のほかにも先生はいる
”きゅうすけ”という言葉がある。
煎餅や飴を作っているうちに 壊れたり欠けたりして ちゃんとした商品にならなかったものを集めて 袋に詰めて売る。
これが”きゅうすけ”である。
煎餅で、こわれたものばかり集めて、袋で売っている商品があります。
その由来は、久助。
吉野葛のことを別名で久助葛ともいう。 だから、葛と屑を同じ読みで連想させているのだ。
久助さんが作った葛が最高の葛だった。 (最高の屑でも、いいじゃないか)
言葉の遊びとしても奥が深い。 私はまだ”きゅうすけ”という商品を見たことがない。
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交差点で目の見えない人のために 音楽が流れている。 「とおりゃんせ」
著者が叔母と一緒に歩いていると 叔母の怒ること、怒ること。
音楽の途中でブツッと切れてしまうのが 失礼だ、というのだ。
「とおりゃんせ」と誘っておきながら 時間が来るといきなり音楽が切れてしまっては 目の不自由な方は歩きながら どうしてよいか途方に暮れる。
目の見える人が考えたのだろう。 目の見えない人に相談するとか、意見を聞いたらよかったのに?
もう時間がないんだな、と分かるように音楽のテンポを早くするとか 工夫があるでしょう、と叔母は言うのだ。
しかし、注意して町を歩くと もう信号が変わりますよという事前案内の 「とうりゃんせ」と違うメロディが流れていた。
同じような苦情が寄せられて 改良したらしい。
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子どものころ 親しんだ歌の歌詞を 全然違うように記憶していて この年齢になって初めて気がついた ということがよくある。
「仰げば尊し......思えばいと疾(と)し、この年月」 ↓ なぜ 糸と死 なのか?
浦島太郎の「帰ってみればこはいかに」 「帰ってみれば怖い蟹」と思っていた著者の友人
「ドングリコロコロ ドングリコ」 これを「丼ころころ、丼こ」と信じていたS氏 と著者は書いているけれど、上げ足とるつもりはないが 正しい歌詞は 「どんぐりころころ どんぶりこ」なのです。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/donguri.html
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