前述のマーク・トゥエインは、今世紀の人ではないので、まあ仕方がないが、今ならすぐ舌禍事件にでも引っかかって、しばらく謹慎にでもなりそうな(^^♪人物である。
しかし、(ゴンドラの話だが)霊柩車と言われようがなんと云われようが,乗りたい奴は今後後を絶たないだろうし…。
でこの仁が、ポンペイでは意外と長々と感想を書き綴っている。まあ、例によって、毒舌の方は相変わらず収まらず、自分の不注意を棚に上げて、ポンペイの道路にケチをつけている。何でも、2000年前の車の轍の跡に足を引っ掛けて、転びそうになったとか。
一方、『ワダチ』(^^♪は、へっへっへ、つまり紋次郎、『あっし』のことだが、多少の注意はしていたらしく、そういうポカはやらなかった。トゥエインは恐らくなにか、この古代の町に欠点はないかと、そればかりを考えながら歩いていたせいだろう。その上、冥界から、当時その衝に当たった筈の担当責任者、道路委員を呼べと、ひとり息巻いているのだ。(^^♪
大体、彼は観光地にとって、一番歓迎されないお客persona non grataなのではないか。現地のガイドにくだらない質問を次々浴びせかけて、ガイドが右往左往する有様を見て楽しむというのだから、悪趣味ここに極まれり、というところではないか。
だいたい、彼らは、学者でも研究者でも作家でもないのである。恐らく薄給で、その証拠にあっしらも、バスを降りる際、同乗して、マイク片手にいろいろ熱心に説明をしていた、ガイドの手に、下車時、小銭を握らせた記憶がある。
今の英米人は、黙ってガイドについて行き、質問はするが、『旅ハラ』のようなことはしないようである。ローマでもそうだったらしいが、自国にあまり歴史がないので、ひとの国をやっかむ風も多少見受けられる。
しかし、さすがの彼も、最後には本音も出て、この先4000年後、グラント将軍だって、果たしてその名が、書物などに残っているだろうかと疑い、暗然たる面持ちで「私は悲しくなる。もう寝ることとしよう」と小声でつぶやきながら、ひとりベッドに潜り込む ことになるのである。 終わり
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