画像サイズ: 750×613 (80kB) | 毎年いまころになると 全国いたるところに、この歌が流れる。
それは「うれしいひなまつり」です。
ところが この歌がラジオから流れると (この歌を書いた)サトウハチローは機嫌が悪くなって 家族に「おい、ラジオをけせ」と言って ラジオをとめさせたそうです。
この話は、彼の息子の四郎が言うのをラジオで聞いたことがあります。
この歌が生まれた昭和10年、ハチローはくみ子夫人と別居中で、3人の子どもを引き取った直後のことでした。 上の2人が小学校6年生(ユリヤ)と4年生の女の子(鳩子)、ハチローは近くのデパート松坂屋(東京上野)で200円の雛飾りを買いました。当時大卒の初任給が50円くらい。
「実母と別れて暮らす子どもたちに、父親としてせめてもの心づくしだったのでしょう」
私が思うに 当時の自分の状態を思い出して、可愛そうな子どもたちのことを考えると いたたまれなくなるのでしょう。
サトウハチローの父親は、サトウハチローの母親と離婚して 女優のシナと結婚して、愛子が生まれた。
そんな父親を批判していたサトウハチローと弟たちだったが 自分たちも似たようなことをした。
引き取って娘たちに豪華な雛飾りを買ったとき くみ子は離婚の決心をしていて 娘たちの世話はるり子がしていた。るり子は四郎を生む。病気がちの四郎のため東大病院に近い所にサトウハチローは住居をかまえた。
だが、るり子も安泰ではない。 そのとき、サトウハチローは蘭子のところにいる方が多かった。 さらに蘭子も実は不安があった。浅草のまゆみがいたのだ。
男と女の関係はむずかしい。
さて「うれしいひなまつり」にもどりますが ほかにも、歌詞の間違いがあって いまさら直せなく、ばつの悪い思いがあるようです。
『うれしいひなまつり』 作詞:サトウハチロー 作曲:河村光陽 あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花 五人ばやしの 笛太鼓 今日はたのしい ひなまつり お内裏様と おひな様 二人ならんで すまし顔 お嫁にいらした 姉様に よくにた官女の 白い顔 金のびょうぶに うつる灯を かすかにゆする 春の風 すこし白酒 めされたか あかいお顔の 右大臣 http://duarbo.air-nifty.com/songs/2007/08/post_4118.html
赤いお顔は左大臣なのです。 左大臣は右大臣より位が上、ふつう左大臣のほうが右大臣より年長。 年寄りだから赤い顔? 左大臣が向かって右にあっても、お雛様から見れば左にいるから左大臣。
この歌を聞いて、ほとんどの人が 「お内裏様」を雄雛、「おひな様」を女雛と解釈していますが、 「お内裏様」とは天皇と皇后の姿をかたどった一対の人形を指し、 「おひな様」はは雛人形(雛飾り)の愛称で人形全体を表すのです。 この歌のお陰で、国民に誤解が広まってしまった。
異母妹の佐藤愛子は長編小説「血脈」で、ハチローの良いところ、悪いところをあますことなく書いています。 この歌のできたいきさつも書いています。 二人の血には、父親佐藤紅緑の血が流れている。 |