私が読んだ本
[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

[No.602] 死にかけた日本語 投稿者:男爵む  投稿日:2011/12/16(Fri) 13:15
[関連記事

死にかけた日本語―私設・マスコミ校閲部 (1976年)
http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%BB%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%91%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E2%80%95%E7%A7%81%E8%A8%AD%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%9F%E6%A0%A1%E9%96%B2%E9%83%A8-1976%E5%B9%B4-%E5%9C%9F%E5%B1%8B-%E9%81%93%E9%9B%84/dp/B000J95GY2


「国語の建設」(講談社)に「僕はこの本を本職の画業とは別に
一生一代のつもりで書いた」とあるが、一生一代は一世一代で
なくてはならない。

三省堂の「新明解国語辞典」(編集代表金田一京助)に
「別れ目」という項目があり、「わかれるところ、わかれる時」
という説明があって、その用例に「今こそ別れ目」が挙げてあると
国語問題協議会理事竹内輝芳氏が報告している。
 「今こそ別れ目」といえば、卒業式の「仰げば尊し」に出てくる。
この「め」が係助詞「こそ」を受けて結ぶ、助動詞「む」の已然形
であることは高校で学ぶ古典文法の初歩的な知識である。
竹内氏は嘆く。「別れ目」の項目を書いた人はおそらく文語の知識
が皆無かあるいは非常に少ししか持ち合わせていない人なのではないか。
文語の係結も知らないとは恐れ入らざるをえません。
(息子の金田一春彦は父はただで名前を貸してやるから、利用されたり、いいかげんな本ができたと述べているが、金田一京助は若い者たちを助けてやるという意気込みだったらしい)

江藤淳「文学と私・戦後と私」に
「刀折れ矢尽き、ついに強度のノイローゼにかかって」
とあるのを東京都練馬区のN氏が指摘してきた。
「矢尽き刀折れ」が正しいのではないかというのだ。
言われてみればその通り。

長谷川修氏の「四人の敵」(新潮50.11号)に
うっかり突飛な意見でも云おうものなら、変り者、奇人の烙印を押され
「出る釘は打たれる」の諺通り...
   文学者、作家が世のカガミであった時代は遠くなった。

「平凡パンチ」(50.10.6)のグラビアに「いちやく有名を馳せ」
とあるのを、埼玉県与野市のY氏が知らせてくれた
 これは「一躍 勇名を馳せ」の誤り


ここで紹介したのはほんの一部
いやはや、有名な人でもミスをおかしている。
日本語は難しい。 注意しなくては。


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ※必須
文字色
書込暗証番号(必須 半角で7080を入力)
Eメール 公開または未記入   非公開
タイトル sage
URL
メッセージ  手動改行 強制改行 図表モード
画像File (←100kB程度まで)
暗証キー (英数字で8文字以内)
プレビュー   

- 以下のフォームから自分の投稿記事を削除することができます -
- 自分の投稿記事に返信(レス)が付いている場合は削除をご遠慮ください -

処理 記事No 暗証キー