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[No.4263] あっしは上野へ行ったついでに 投稿者:唐辛子 紋次郎  投稿日:2015/10/31(Sat) 21:16
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あっしは上野へ行ったついでに
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あっしは上野へ行ったついでに、東京芸大の美術館にも足を延ばしてみました。丁度2階で、「武器をアートにーモザンビークにおける平和構築」展という展示をやっていました。

  本職の兵隊だけでなく、少年まで駆り出された長い内戦に、こりごりしたモザンビークの人たちが、戦争終結後に残された、たくさんの危険な武器を回収する運動を起こしました。これは旧約聖書のイザヤ書のことば「剣を鍬に」に想を得た「銃を鍬に」というプロジェクトで、この運動によって、かなりの銃が鍬に変身を遂げたわけですが、今なお数百万丁の武器や地雷が未回収の状態だそうです。

  モザンビークは、現在では経済成長著しいアフリカの優等生国ではありますが、この地には、未だに多くの地雷が残されています。発見された武器は、主として爆破によって処分していますが、一部はアーチストたちによって芸術品に生まれ変わり、人々に感嘆の声を上げさせています。その作者にはクリストヴァオ・カニャヴァート、フィエル・ドス・サントス、アドリノ・セラフィム・マテなどがいます。

  藝大の会場には、21点ほどの作品がありましたが、素材を巧みに処理して、芸術性豊かな家具や、動物、ギター、キーボードなどの演奏者、本を読む人など、さまざまな形が作り出されていますが、武器の一部を、平和的なものに変身させる、かれらアーチスチトの技術には、ほんとうに見ていて感心させられます。入場は無料で、会期は来月の23日(月・祝)まであります。さて、


  モザンビークは遠い国のように思われていますが、イエズス会の宣教師の口利きで信長に仕えた、弥助として知られていた人物は、モザンビークの出身だったそうです。また、愛媛県の「えひめグローバルネットワーク」と云う団体が、その趣旨に賛同して、わが国の放置自転車を、修理して同国に送るなどして、モザンビークの平和に協力している由です。

  この展示の主催者のひとつである、国立民族学博物館の所蔵品「いのちの輪だち」は、カニャヴァートやサントス、その助手のコラボで作られ、この展覧会場にも出展されています。  (おわり)

  添付写真。クリストヴァオ・カニャヴァート作の「笛を吹く人」。