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[No.4264] 箱根の山は周遊券 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/14(Mon) 07:29
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箱根の山は周遊券
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 箱根の山は天下の険? 箱根の山は神奈川県? いいえ、箱根の山は周遊券です。
 小田原発着二日間のフリーパス(4000円)と一緒に旅に出ましょう。

 8月後半から11月の中ほどまで多忙を極めていましたので(あくまで、エイティーズとしては、ですが)一段落したところでチョット息抜きに「箱根で紅葉狩り」と洒落こんだわけです。
 箱根は、たまに行きますが「泊まりがけ」というのはしばらくぶりです。
 一人旅の気軽さ。思ったら即実行です。

 また大涌谷の噴火も、警戒レベルが下がり、ロープウエーの「姥子→早雲山」がバス連絡に頼っている以外は、交通機関は不自由なく使えるようになっていました。

 コースとしましては、平凡ですか「小田原」→「箱根湯本」→「甘酒茶屋」→「箱根町」→「湖尻」→「早雲山」→「強羅」→「小田原」のコースです。そこで、まずはバスで小田原から箱根湯本へ行き、ここから「甘酒茶屋」を目指しました。


[No.4265] 箱根の山は周遊券 2 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/15(Tue) 07:40
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箱根の山は周遊券  2
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 さてさて「甘酒茶屋」コースですが、たしか、以前はこのあたりは、ハイカーのためのコースだったような気がするのですが、今は道幅の狭い、急カーブの多い車道になっています。お義理でつけたような歩道の脇をクルマが疾走していきます。ハイキングを楽しむような場所ではありませぬ。
 バスも小さめのものです。ほぼ満席でしたが、どうやら日本人は私一人みたいでした。ヨーロッパ系の旅慣れた感じの外人さんが多いようです。強羅近辺にはアジア系の方が多いのですが。 
 バスは奥湯本を経由していきますが、この辺は狭い道路を挟んで「旅館」が並んでいます。
 自然がいっぱい、紅葉も見頃です。
 ただ、お天気がイマイチでした。


[No.4266] 箱根の山は周遊券 3 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/16(Wed) 06:23
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箱根の山は周遊券  3
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 バスは奥湯本を過ぎると、早川にそそぐ須雲川沿いに旧東海道を走ります。寄木細工で有名な畑宿あたりのヘヤーピンカーブを過ぎますと、じきに右手に「甘酒茶屋」が見えてきます。
 もちろん、ここで降りました。
 かつては、箱根の関所に近いこの辺り、「茶店」はたくさんあったようですが、いまは、ここ一軒です。一応400年の歴史を持っていますが、もちろん建物は何度も建てなおしています。
 今の建物は、2009年に改装したものですが茅葺の屋根といい、土間といい、戦前生まれには懐かしい雰囲気を残しています。
 
 予報は「晴れ」だったのですが、芦ノ湖方面から霧が這い上がってきています。
 絵葉書やカレンダーに出てくる風景の背景はいつも青空ですが、少し霧ごんでいるなかでの紅葉というのも風情がありますね。


[No.4267] 箱根の山は周遊券 4 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/17(Thu) 06:48
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箱根の山は周遊券  4
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 神崎与五郎東下り

 ときは元禄15年---。大石内蔵助の命を受けて江戸に向かっていた赤穂浪士の一人 神崎与五郎さん、箱根峠の甘酒茶屋で一休みしていました。
 ここで、馬子ともめ事になってしまった与五郎さん、大事な仇討の前だったので、揉め事を起こしてはいけない、ここは穏便に済ませようと、自ら詫び状を書いた。
 この詫び状の差出人の名前を「かんざけ よかろう」としたためたという。(与五郎さん、大の酒豪。甘酒なんぞとふざけやがって----と思いながらも大事の前ゆえ、自重しました)
 ----これも、史実とは程遠い「講釈師見てきたような嘘をつき」のたぐいでしょうが、話としては良く出来ていますね。面白いですね。

 そうです、偶然ですが、今日は2015年12月14日です。義士討ち入りの日です。

 国際化時代ですね。メニューの「甘酒」には、こんな解説がついていました。
 甘酒を知らない若い日本人にも分かりやすいでしょう。

 AMAZAKE
 Non-alcoholic
 non-sugar, sweetish beverage.
 Rich of nourishment
 Good for baby food.
 On cold day
 Take it hot with ginger.
 On hot day, take it cold.
 \400/ 1 cup. (市価よりやや高めです。箱根価格です)


[No.4268] 箱根の山は周遊券 5 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/18(Fri) 06:30
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箱根の山は周遊券 5
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 内部も昔風。母の郷里を思い出しました。
 土間の奥には「こあがり」や「囲炉裏」があります。
 「囲炉裏」って煙たいものですが、あの煙に茅葺屋根の防虫効果があるのですね。
 知らなかったぁ、昔の人は賢いです。
 営業時間が「日の出から日の入りまで」というのも道理にかなっていますね。

 甘酒だけでは物足りないので「力餅」も頂きました。
 見た目は「たったこれだけ?」という感じでしたが、それでもちょっとお腹にたまりました。

 外人さんも神妙なお顔で「力持ち」や「ところてん」「おでん」などに向かっていました。


[No.4269] Re: 箱根の山は周遊券 5 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/18(Fri) 06:31
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Re: 箱根の山は周遊券 5
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 力餅は500円です。


[No.4270] 根の山は周遊券 6 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/19(Sat) 06:21
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根の山は周遊券 6
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 お食事後は、近くを散歩しました。
 黄色く染まった樹々が、霧で霞んでいるあたりを明るくしてくれました。
 何か幻想的な風景でした。
 「いのしし」も出没するようですね。
 ずっとぶらぶらしつつ元箱根まで歩き続けたい気持ちでした。
 下り坂ですし大した距離ではありません。
 しかし、狭い道にほんのお義理程度にしか存在しない歩道を、霧の日に歩くというのは、どうみても楽しくなさそう。とにかくひっきりなしにクルマが突っ走っているのです。落ち着きません。
 そこで、30分に一度は通る路線バスを待つことにしました。
 バスに乗ってしばらくすると霧が晴れてきました。
 あるいは、峠近辺だけが霧ごんでいたのかもしれません。


[No.4271] 箱根の山は周遊券 7 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/20(Sun) 09:04
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箱根の山は周遊券 7
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 箱根町でバスを降りますと信じられないことに、芦ノ湖は、ピッカピカの晴天です。
 絵葉書や「四季の風景カレンダー」で見るのと同じ芦ノ湖の風景が目の前に広がっています。
 
 それに日差しは、11月末とは思えないほど温かい。
 湖に向かって深呼吸をしたら、お腹が空きました。湖畔のコジャレたコーヒーショップで
コーヒーとケーキをいただきました。
 ここのフルーツケーキはなかなか美味でしたよ。
 
 そもそも、箱根には、ご大層なホテルや旅館はたくさんあるのですが、庶民が気軽に楽しめる手頃な飲食店は少ないのです。
 しかし元箱根近辺の遊覧船発着所あたりには比較的多いのですよ。


[No.4272] 箱根の山は周遊券 8 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/21(Mon) 08:31
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箱根の山は周遊券 8
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  ところで、獅子文六さんの「箱根山」という小説をお読みになったことがおありでしょうか。
 または、映画でご覧になったとか。
  昭和36年。このころになるとの、終戦直後の「何とか飢えないように」という時代から「たまには行楽も」という時代に変わってきました。
 とはいえ、その時点では「行楽」といっても、海外はおろか国内でも「近場」で日帰りか一泊旅行を楽しむのが精一杯。
 そうなると、首都圏の奥座敷といわれた「箱根」「日光」などという「行き先」再び脚光を浴びてきます。

 そこで一稼ぎしようというのが、まず鉄道会社だったのです。
とくに、ここ箱根では、
 「方や、地元の小田急電鉄(ここには東急電鉄もついています)」
 「こなた、西武鉄道」
 というより「五島慶太氏」と「堤 康次郎氏」が
箱根で熾烈なレースを展開していたわけです。
 そこへ藤田興業(小説では氏田観光)もからんでくるのですが。
 それを獅子文六さんが面白おかしく小説にして新聞に連載なさったわけです。
 何しろ当時、ちまたでは、それぞれのトップを「強盗慶太」「ピストル堤」と呼んでいたので、この好取り組みには世間の注目が集まりました。

 その戦いの主戦場であった芦ノ湖の湖上の観光船をみていて当時のことを思い出したわけです。


[No.4273] 箱根の山は周遊券 9 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/22(Tue) 06:34
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箱根の山は周遊券 9
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 戦いは、観光船開発(海賊船 vs 双胴船)に限らないのです。
 小田急が「桃源台から早雲山」までの、ロープウェイを作ると、西武は駒ケ岳ヘ登るロープウェイで対抗する。芦ノ湖畔のホテルだって、小田急が瀟洒な「山のホテル」を作れば、西武は竜宮城スタイルのホテルで対抗する、と段々エスカレートしていきます。

 ただ、両陣営とも施設作りに情熱を燃やすだけで「人間の気持ち」をやや置き去りにしてしまったのです。
 獅子文六さんの「「箱根山」という小説のなかで、すでにこの問題は取り上げられています。  
 戦時中芦の湯温泉にいたドイツ人捕虜とのハーフの乙夫(オットー)君という登場人物に言わせているように「人間が歩く場所が極端に狭い」のです。
 これは今に至るまで、変わっていません。
 たとえば、湖の周囲に、樹々に隠れて外から目立たないような遊歩道を設ける、という手もあったと思うのですが。


[No.4274] 箱根の山は周遊券 10 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/23(Wed) 07:42
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箱根の山は周遊券 10
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 デッキから、芦ノ湖周辺を眺めていますと、若いころの思い出が蘇ってきます。社員旅行で行った箱根。あいにくの雨だった。
 両親と行った箱根。山のホテルのツツジが見事だった。もちろん、あのホテルに泊まるだけの財力はありませんでしたが、それでも、コーヒーショップでコーヒーとケーキをいただき、お庭や芦ノ湖を眺めました。

 ところで、この便には「可愛い船長さん」が乗っていて、観光客へのサービスをしていました。男の子なのですよ。外国人観光客や、子供連れと一緒にカメラに収まったり、観光情報を提供したりとーーー。僅か30分の船旅ですが、楽しかったです。


[No.4275] 箱根の山は周遊券 11 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/24(Thu) 06:43
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箱根の山は周遊券 11
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 絵葉書のような芦ノ湖を眺めていますと、赤い鳥居が見えます。
 あの小さな鳥居が芦ノ湖の風景をピシッとまとめているような感じがします。あの鳥居、箱根神社の九頭龍神社新宮というのが正しい呼び方のようです。

 この日はタイミングよく赤い鳥居の後ろ側から富士山が顔を見せてくださったのでした。
 「世界遺産、オメデトサンです」と申し上げますと「いやいや、登山客が多すぎてな。少し静かにさせてほしいよ」と言っておられました。

 「 旅の空から 富士山みたら遠い故郷の あの娘をおもた」という歌がありますが、やはり日本人にとって特別な「やま」ですね。

 富士山に見とれているうちに、船は「桃源台港」に着きました。


[No.4276] Re: 箱根の山は周遊券 11 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/24(Thu) 06:45
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Re: 箱根の山は周遊券 11
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あの霧や小雨が嘘のようなお天気になりました。


[No.4277] 箱根の山は周遊券 12 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/25(Fri) 08:41
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箱根の山は周遊券 12
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 元箱根側とちがい「桃源台港」のあたりには、静かな散歩道があります。
 枯れ葉のパラパラ落ちる木立の合間から芦ノ湖が見える、とても良い散歩道です。

 ところで、いつも不思議に思うのですが、国内旅行情報といいますと「ウェブサイト」でも「ガイド・ブック」でも、充実しているのは「グルメ」情報ばかり。
 「宿情報」はまあまあですが。

 ええ、私も食べることは大好きで、「グルメ情報」には関心がありますが、それにしても、もう少し「街の特色」「歴史」「散歩道」「その土地ならではの面白いお店」などの情報も充実させてほしいですね。

 もっとも、観光客にも、注文したものが手元に運ばれてきても、お料理の撮影に夢中で、せっかくの熱々のピザを、わざわざ「冷めたピザ」にして喜んでおられる方が多いのですが。
 特別珍しい料理ならばいざしらず、少し写真の撮り過ぎみたいに感じます


[No.4278] 箱根の山は周遊券 13 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/26(Sat) 08:02
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箱根の山は周遊券 13
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 さて、現在の「箱根の山の天下の険」は、ご存知「噴火中の大涌谷」です。「箱根八里は馬でも超すが越すに越されぬ噴火口」です。

 神奈川県(県庁)のウェブサイトによりますと「大涌谷周辺(箱根山)の噴火警戒レベルは、平成27年11月20日にレベル1(活火山であることに留意)に引き下げられましたが、現在も高い濃度の火山ガスが観測されているため、県道734号(大涌谷小涌谷)の大涌谷三叉路から大涌谷園地駐車場までを通行止としております」ということです。

 今は、ロープウエイは桃源台から姥子までは開通しており、姥子から早雲山は、バスが代行しています。

 しかし散りつつあるとはいえ紅葉の季節、青空と紅葉の谷間を見下ろしつつ行く、ロープウエイからの眺めは素晴らしいです。
 ああそれそれなのに、ゴンドラのなかには私一人。前後を行くゴンドラも「カラッポ」ばかりです。


[No.4279] 箱根の山は周遊券 14 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/27(Sun) 08:31
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箱根の山は周遊券 14
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  ゴンドラは、いまは姥子駅が終点です。ここの標高は878メートル。

 姥子駅のすぐ近くにあるミニ庭園に、箱根ロープウェイの初代、2代目のゴンドラが展示されています。現在の3代目に比べて小さく可愛らしいゴンドラです。
 正直に言って、今のものよりデザインが可愛いかった。

 このゴンドラの思い出のある方も多いでしょう。
 姥子駅で、途中下車をする機会は、殆どありませんが
 「大涌谷噴火」のおかげで、思わぬ「思い出」に出会えたような気がしました。


[No.4280] Re: 箱根の山は周遊券 14 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/27(Sun) 08:33
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Re: 箱根の山は周遊券 14
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 標高は878メートルの姥子駅です。


[No.4281] 箱根の山は周遊券 15 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/28(Mon) 07:54
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箱根の山は周遊券 15
画像サイズ: 640×409 (94kB)
 お話したように、姥子駅からケーブルカーの早雲山駅までは連絡バスで行きました。
 ところで、お孫さん、あるいは曾孫ちゃんとご一緒に行楽地においでになった時に「ねぇ、バーバ or ジージ、ロープウエイ、ケーブルカー、登山電車って、何処が違うの?」と聞かれた時のために、ちょっと。

 まず、”ロープウエイ” は、空中に渡したロープに車輌がぶら下がっているもの。ゴンドラと称する車輌は小さく軽いのが普通です(それじゃないと支えきれない)。
 「じゃ、バーバ、大船と片瀬江ノ島を結ぶ「ロープウエイ」と何処が違うの」と聞かれるかもしれません。
 モノレールにも懸垂式といって「ぶら下がり式」のものがあるからです。
 「見た目はそんなに違わなくても、全く別物。 ロープウエイのゴンドラは自分では動けないの。外から動かしてもらっているのね。でも、モノレールは電車と同じで、自分で動いているの。ただ、線路が上にあるだけ」

 “ケーブルカー” は、急な坂を昇り降りするための乗り物。高いところにあるワイヤーで引っ張りあげてもらったり、おろしてもらったりしているのね。昔あった、井戸の鶴瓶みたいに、スルスルッと巻き上げたり、巻き戻したりして電車を動かしてあげているのよ。

 “登山鉄道” っていうのは普通の電車と大して違わないの。ただ、急勾配や急カーブを登り降りしやすくするための、いろいろな工夫がしてある電車のことなのね。スイッチバックのためだけの停車場所があって、運転手さんと車掌さんが入れ替わって進行方向が逆になったりするのよ。

 箱根の周遊券の面白いところは、明治時代から、こういう急な坂道を登る乗り物に工夫をこらしてきた鉄道の歴史がコンパクトにまとまっているところにあるのです。
 その辺りを分かりやすく説明してあげてくださいね。


[No.4282] 箱根の山は周遊券 16 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/29(Tue) 09:22
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箱根の山は周遊券 16
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 乗り物大好きですが、だからといって乗り物ばかりもつまらない。ご苦労さんなことに周遊券がありながらここから強羅までは歩くことにしました。「歩くこと」も大好きです。とは言っても、直線距離でわずか2キロです。

 このあたりには、もう一つ別な箱根の顔があります。
 そうなのです。「会社などの保養所地区」としての顔です。―――というより「保養所が全盛を極めた時代があった地区」というのが適当でしょう。
 高度成長期、企業は従業員の福祉向上のために、近郊に会社の施設を作ったのですね。大企業は単独で、中小企業は「ナントカ事業組合連合会」などという形で。市町村も競って市民のための保養所を作りはじめました。見て回りますと、まだ、隆盛を極めているものもあり、朽ち果てているものもあり、と様々ですが、当時の活気はありません。ひっそりと静かな一帯です。あまりクルマも通らないので安心して歩けます。

 ガイド・ブックには詳しい地図はないので、迷子になりそうになることもあります。そんなときは「スマホの地図ソフト」にお伺いを立てます。目印になるものが少ないところでも、少なくとも「いま、自分が駅の方角に向かっているのか、反対側へと歩いているのか」くらいはわかります。


[No.4283] Re: 箱根の山は周遊券 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/29(Tue) 09:28
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Re: 箱根の山は周遊券
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 スマホに道を教えてもらいました。


[No.4284] 箱根の山は周遊券 17 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/30(Wed) 17:52
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箱根の山は周遊券 17
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 強羅近辺のお散歩は、まだ続きます。
 先に申し上げたように、このあたり、高度成長期には会社の保養所がたくさん集まっていたのですが、戦前は名士の別荘が、あちこちに点在していたと言われています。多分、この和風の建物も、この時代のものの名残なのでしょう。斎藤茂吉さんの別荘も強羅にありました。茂吉さんはご子息の北杜夫さんを連れてその別荘に避暑に来られていたのでした。(いまは、もう残っていませんが、この近くだったようです)。
 こういう古い日本建築を遺すのは、すごくたいへんなのでしょうね。

 おかしかったのは「ケーブルカーの中強羅の駅の反対側へぶらぶら歩きに行って見たときのことです。線路を横切ろうにも、アンダーパスも歩道橋もないのです。さて、どうやってこの線路を横切るべきか。
 観察していますと、どうやら、この駅は無人駅で両側にホームがあり、真ん中を電車が通るという「仕組み」になっているのです。
 こういうときは、地元民の行動を観察しているに限ります。下りのホームに2人ばかり男の人がいました。早雲山方面からやってくる電車が停車しますと両側のドアが開きました。おじさん達は、電車の中を通って駅の反対側の下車口から出て行きました。なーるほど、電車が横断歩道を兼ねているのですね。そうか、そういう「発想」もありなんだ、と私は感動しました。

 こんな些細な事でも、旅は「発見」と「感動」に満ちています。


[No.4285] Re: 箱根の山は周遊券 17 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/30(Wed) 17:55
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Re: 箱根の山は周遊券 17
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 左側の扉から電車に乗って、すぐ反対側のドアから降りました。
 すなわち「動く横断歩道」です。


[No.4287] 箱根の山は周遊券 18 投稿者:マーチャン  投稿日:2015/12/31(Thu) 06:47
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箱根の山は周遊券 18
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 そうこうしておりますうちに日も傾き始めました。
 そこで、少し早いのですが、楽天さんから予約しました 民宿「三花月」に行くことにしました。

 昔からの観光地で、お一人様が和風旅館に泊まるというのは「豚が針の穴をくぐる」より難しいのです。
 根気よく探しましたところ「民宿」というのを発見しました。それがこの「三花月」さん なのです。
 なかなか閑静な場所にあり、用意してくださったお部屋も10畳で一人には広すぎるほどです。 
 しかも角部屋で、大きな窓からは、大文字山と、明神山が見られます。すごいです。

 ただし、バス・トイレは共同です。ふとんは到着時点ですでに敷いてあります。
 この民宿は、おばちゃんが独りで取り仕切っています。

 お値段はお一人様の場合は、2食つきで、12700円と、きわめてリーズナブルな値段です。
 (2人で泊まりますと、一人当たり11000円ですから、お一人様はかなり優遇されています)


[No.4288] 箱根の山は周遊券 19 投稿者:マーチャン  投稿日:2016/01/01(Fri) 09:06
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箱根の山は周遊券 19
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 温泉で芯まで温まると、一日の疲れもあって眠くなりました。
 手抜きのためとはいえ、チェックインしたときからお布団が敷いてあったので、これ幸いとそこに寝転がりウトウトしました。極楽です。

 目が覚めると、大文字山の上から満月がこちらを見ていました。
 「月明かり」は久しぶりです。

 この宿、階下には談話室もあり、廊下には巨大な灯油のストーブが置いてありました。昭和的なストーブでした。朝晩は冷えるのでしょう。
 ここでテレビを見ていますと「お食事どうぞ」というオバサンの声が聞こえてきました。


[No.4289] 箱根の山は周遊券  20 投稿者:マーチャン  投稿日:2016/01/02(Sat) 07:32
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箱根の山は周遊券  20
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 食堂へ行くまで、私は夕食について、まったく期待していませんでした。
 といいますのは、こういう事情からです。まず、ここを楽天から予約するとき「一泊・朝食のみ」で予約したのですね。ところが後から気が変わって「一泊・2食つきに変更してほしい」と直接、電話で依頼したのです。オバサンは電話で「はいはい。用意しますよ。じゃ、当日、差額を 1300円もらうからね」というのです。
 1300円の食事、ちょっとしたファミレスのランチ程度のお値段です。期待するほうが無理です。

 ところが、食堂へ行ってみてびっくり。堂々とした金目鯛のアタマのお煮付けに、まずびっくりしました。これがまた美味しいのです。オバサンに「美味しいね」といいますと「うちは冷凍モノなんて使わないから」という返事か返ってきました。
 鍋は牛鍋でした。さらに茶碗蒸し、ごった汁、てんぷらまで出たのです。
 一皿の分量もたっぷり目。食欲バーサンの私でさえ残すほどの分量でした。


[No.4290] Re: 箱根の山は周遊券  20 投稿者:マーチャン  投稿日:2016/01/02(Sat) 07:34
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Re: 箱根の山は周遊券  20
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 鍋の蓋をとってみると、美味しそうな「牛鍋」でした。、


[No.4291] 箱根の山は周遊券 21(最終回) 投稿者:マーチャン  投稿日:2016/01/03(Sun) 07:32
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箱根の山は周遊券 21(最終回)
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  ただ、民宿ですから、お食事に関しても、お料理は運んでくれますが、それ以上のサービスはありません。
 しかし、
  夕食にはビールを、という方は廊下にある自動販売機でお好きなモノが買えます。
  缶から飲むのはどうも、という方は、食堂の戸棚から、コップを持ってくればいいのです。
  オバサンも手間がかからないし、お客さんには安上がりです。
  しかし「どこどこ産のどういう銘柄」とか注文の難しい方にはご満足いただけそうもありません。

  帰りがけに、オバサンといろいろ話したのですが「なぜ、あんなに大ご馳走をするの」と聞きますと「私、お客さんが、物足りない気持ちで帰られるのを見るのは嫌いなの。十分満足して帰ってほしいの」とのことでした。

 翌朝は、雨で、ことの外寒かったので、まっすぐに帰宅しました。
 
 以上で「箱根八里」の旅のお話は終わりです。お読みいただきましてありがとうございました。


[No.4292] Re: 箱根の山は周遊券 21(最終回) 投稿者:マーチャン  投稿日:2016/01/03(Sun) 07:33
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Re: 箱根の山は周遊券 21(最終回)
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 食堂の写真は朝食前のどなたもいらっしゃらない時に撮りました。広々していて気持ちのいいお部屋です。