[No.1184]
西條八十「旅の夜風」
投稿者:男爵
投稿日:2012/04/12(Thu) 19:33
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「旅の夜風」は
松竹映画「愛染かつら」の主題歌でもあり、当時としては80万枚を超す驚異的なヒットを飛ばした歌であった。
すでに別の主題歌ができていたのだが
映画の音楽監督がイメージに合わないと思い
西條八十に依頼したのだった。
映画では
ヒロインが新橋駅にかけつけた時
津村浩三を乗せた列車がホームを離れていくシーンに
この主題歌が流れ
おおいに盛り上がった。
この歌のタイトルが「愛染かつら」ではなく「旅の夜風」であるのは
そういう場面に使われることを意図してつくられたからである。
懐メロカラオケ 「旅の夜風」 原曲 ♪霧島昇 ミス・コロムビア
http://www.youtube.com/watch?v=TpGdxk7z_y0
感傷的な歌が検閲を通るため
西條八十は工夫した。
「男柳」としたので、検閲官も「柳が泣いているのなら、まあいいでしょう」と苦笑したという。
土浦の海軍航空隊の原田中佐が予科練の卒業式に、「旅の夜風」の一番を歌い
驚いた学生達に「諸君たちはまだ若い。これから戦場に向かうにあたってもまだこの世にたくさん未練があるだろう。まだ見たい美しい花もあるだろう。同時に行く手をとざす黒い戦雲をおそろしく思うであろう。しかしその未練の花を踏みにじり、おそろしい暗雲を断然踏みこえてゆけ。そこに日本男児の生きる道があるのだ」と言ったという。
(西條八十と古関裕而が依頼されて「若鷲の歌」をつくるため土浦に行ったとき聞いた話)
この歌を歌った二人は結婚した。