[No.178]
「江分利満氏の優雅な生活」
投稿者:さんらく亭
投稿日:2013/09/12(Thu) 18:44
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おそらくこの映画をご覧になった人は少ないでしょう。
昭和38年(東宝)鬼才岡本喜八の監督第一作、原作は山口瞳の直木賞受賞作品
封切り当時は評論家には画期的な作品と好評でしたが一般受けせず興行成績はサッパリでしたが、後年になって見直され名画座で再上映されたりBSで放映されたりしています。
戦中派の屈折した心理を見事に捉え、なんの才能もないマジメ人間が一生懸命生きることの大変さを自分史や戦後史と重ね合わせて描き、当時としては新奇なアニメーションや斬新なカメラワークなど自由奔放を極めた技法が大きい話題になりました。
主演の夫婦役、小林桂樹・新珠三千代は正に適役でしたが原作中で私をモデルにした人物の配役を私は長門裕之がいいと勝手に思っていたのに意外にも江原達怡 というアプレゲール風の若者なのでガッカリしてそのために友人たちに知らせるのをやめたのを思い出します。その代わり新婚の妻が田村奈巳という清楚な新人だったのが救いでした。
たまに気が向けばビデオを再生して見ています。ちょうど半世紀前の作品で正に戦中戦後から東京五輪前夜を彷彿とさせる「あのころの日本人」を描いた映画です。
さんらく亭@甲子園