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[No.567] 和食のすすめ 投稿者:男爵  投稿日:2014/04/18(Fri) 15:31
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いま読んでいる本に伝統的な粗食のすすめが書いてあります。
 幕内秀夫:粗食のすすめ  新潮文庫  平成15年

著者は大学を卒業してから山梨県棡原(ゆずりはら)に行って見て驚いたのは
70歳、80歳の人が元気に働いているのに、40歳、50歳の人たちのほうが次々と病気で倒れているという現実であった。

大正生まれの中年が成人病にかかり、明治生まれが元気。

長生きしてきた人たちは、麦やアワやキビ、ヒエなどの雑穀、芋類を主食として、野菜や山菜などを副食にしてきた。肉や牛乳、乳製品などはほとんど食べずに生きてきた。
そのような一見「粗食」に見える食生活をしながら長寿で元気。

著者の説では、日本人が成人病にかかりやすくなったのは
 米を食べなくなったこと
 食生活が欧米化したこと
に原因があるとのことでした。

もっとも、栄養学や医学は時代時代で変わることがあるので
肉や乳製品がいちがいに悪いとはいえないと思います。

棡原の人たちが雑穀を食べて粗食で長生きしたとしても、そのかげには弱くて死んでしまった人がいるかもしれない。
たまたま明治生まれの元気な人たちが目について、大正昭和生まれの人たちのなかの成人病になった人たちがいて、それが対比的に目立ったかもしれません。
(明治生まれの弱かった人はとうに死んでいないし、大正昭和生まれの元気な人たちもいたのに無視された?)

肉食でたんぱく質を補うことができたから、昭和の若者たちは身長が伸びたのではないでしょうか。
沖縄でも豚肉をとり、海藻も食べてきたから長寿だったという見方もあります。
 沖縄はその後アメリカの食生活の影響を受けて、脂肪やたんぱく質のとりすぎで不健康になっていったという考察もあります。

いずれにせよ簡単にはいかないものです。
しかし、長い間続いた伝統食はそれなりの意味もあります。
その土地で採れた旬のものを食べるのが経済的にも栄養的にも無理のないところです。

伝統的な食事を基礎としながら、新しい素材や食べ物知識を受け入れていくのがいいのでしょう。