[No.1115]
日本語の覚え方:その1
投稿者:乃木農
投稿日:2015/11/11(Wed) 10:29
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学習者の年齢、境遇、国籍(漢字圏か否か)によって日本語を覚えるスピードも覚え方もかなり異なる。
ただ、一般的にいって教室に来る若い学習者の日本語習得スピードが非常に早いことには驚かされる。
来日前に出身国(母国とは限らない)で、ある程度日本語を勉強してくる人がほとんどだが、中には全くの独学で勉強し、日本に来て1か月位なのにかなりしゃべれる人もいる。
我々日本人は中学・高校・大学と何年も習っても英語で外国人とコミュニケーションをとるのは難しいのに比べ、何と早く日本語を覚えることか感心する。
必要に迫られ猛烈に学習するせいでもあろうが、日本のような島国でなく、外国語アレルギーがないせいでもあるのだろうか。
スーダンから来たある男性は日本語検定一級の試験に合格し、現在はさらに日本語をブラッシュアップするために当教室に通ってきた。
毎回Newsweekの日本語版を持参し、その中の記事について私と質疑応答を繰り返した。その内容は非常に質が高く、日本のビジネスマンと話しているのと変わりがないレベルだった。
彼は現在プログラマーとして都内のIT企業に勤めているが、来日前はアメリカで土木工学を専攻しその方面の企業で働いていたとのこと。
どうしてそんなに日本語を早く習得したのか聞いたが、完全に独学で覚えたとのこと。
かなり難しい漢字も読めるのでどのように覚えたのか聞いたところ、自分が見た新聞や本に出てくる漢字を片ぱっしからしらみつぶしに覚えたとのこと。
事実、私の前で本を音読しつつ、読めない字が出てくるとマークを付け、一度教わると二度と聞きなおすことはなかった。
信じられないほどの記憶力だ。
また、別のある男性(国籍は米国、風貌は東洋人)はPC片手に教室に来訪、PCにメモした知りたい言葉リストを見せ、逐一意味を確かめてそれをPCに書き込んでいく。
その内容たるや、おんどれ、いてもうたろか、ぼったくり、うざい、やばい…etc、悪い言葉ばかり。
本人は自称英語教師というだけあって、根は悪い男ではなく、陽気で憎めない男だが何でそんな言葉ばかり勉強しているのか理解に苦しむ。