今までに次のことをやってみました。
e-Taxを使っての所得税電子申告(還付請求、追加金振込み) 今年度のe-Tax、e-Gov講習会への参加
これらから知ったICカードリーダライタ(以下ICカードRWと略す)についての 問題点をまとめてみます。大体手順の順に書きますが厳密なものではありません。
1.ICカードRWの購入 (市価で2500円程度) 住基カードの種類によって(接触又は非接触など)、使えるICカードRWが異 なる。自治体によってどれを買うべきかの判断が必要。 発売メーカーいくつかあり、同一メーカーからも何種類か出ている。どれを 選ぶべきか。 パソコンのOSは色々ある。32ビットか64ビットかまである。対応する ICカードRWはどれかが分るか?
2.ICカードRWのパソコンへの接続 USBコネクターに繋ぐ。USBコネクターというものを知っている必要有り。 USBコネクターには直で繋がねばならない。ハブなどを経由すると認識しな い場合があることを知っているか。
3.ICカードRWをパソコンで使用できるようにインストール設定する デバイスドライバー(デバドラと略す)をインストールする必要有り。 この入れ方がマチマチ。ICカードRWを差し込んでからインストールするもの と先に差し込んではいけないものがある(先にデバドラを入れるべきもの) 間違えて入れてしまうとそれを削除せねばならないがそれが一般向け でできるか? デバドラはパソコンの機種によって異なる。どれを入れるかの選択が必要。 これを一般向けに要求するkとが適切か? パソコンを買い換えたりした場合、新パソコンのデバドラがどれか分るか? 古くて駄目と判断してICカードRWのを買い換えてしまわないか? デバドラは必要に応じてバージョンアップされる。これに対応できるか?
4.ICカードRWでの住基カードの読み込み クライエントソフトのダウンロードとンストールをできるか? 住基カードが正常に読み込めているかどうかが分るか? 住基ネットにデータを読みに行った時、電流が多く流れるためか、正常に 機能しないことがある。こういう時どうするのか? 一般にICカードRWは不安定なところがあると経験的に認識されている ようである。 5.e-Taxやe-Gov使用時でのICカードRWでの住基カードでの電子署名 申告書作成まではうまく行って、最後の段階、すなわち電子署名して送信 する段階でうまく送れない場合、その対応ができるか?
等など、ICカードRWに関わる問題が多い。これはパソコンスキルのかなり 高い人でも相当に苦労しています(私も、高いという訳ではないが、例に漏れず 昨年大変苦労しました。)。 ましてパソコンを始めて触る人にも使用をお願いする訳ですから、そんなこと が果たして可能かどうか。
で、ICカードRWをe-Taxやe-Govに使用するのはやめた方がいいと私は思い ます。これは住基カードに電子証明書を入れたから生じた問題ですからその問題 にまで遡り検討が必要でしょう。
ここでも指摘されていますが、e-Taxやe-Govに本人認証用に実印相当の電子 署名(電子実印)と電子証明書(印鑑登録証明書に該当)添付を要求するこ とが オーバースペックではないかということ。 他国並のスペックにすべきではないかということ。 日本でも、もっともセキュリティの高い銀行でも、入出金確認などは、契約 番号とパスワードだけ。引き出しには乱数表又は第2パスワードで対応して いる。
どうしても電子実印が必要な局面では、ICカードRWではなくて、汎用で こなれているUSBメモリーなどを使えばいいのではないか。これは住基カード とは独立に電子実印(電子証明書付き)専用とする。これは電子実印として 実印並に各自に管理保管してもらえばいい。(少なくともこの電子実印とパス ワードは決して同じ場所には保管しないなどの注意が必要だが)
ICカードRWの使用を残しては利用率(普及率)が高まることは期待できない でしょう。
なお、e-GovにJava実行環境を使うのがまずい問題は既に前に述べました。e-Taxと 同じく不使用とすべきと思います。
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