[掲示板へもどる]
一括表示

[No.6964] 歌舞伎と地唄舞 投稿者:紫雲  投稿日:2015/02/02(Mon) 10:57
[関連記事

歌舞伎には、だんまりの場がよくある。
だんまりとは、暗闇(くらやみ)で、お互いに探り合いながら
死闘を繰り広げたり、物品を奪い合ったりする 立ち回りの事だ。
その時に地唄の唄の「露は尾花」が多い。
唄は実に色っぽい・・・
   露は尾花と寝たと言う 尾花は露と寝ぬと・・・♪
   蝶は菜種と寝たと言う 菜種は蝶と寝ぬと・・・♪
   月は清水と寝たと言う 清水は月と寝ぬと・・・♪
舞う時は、しっとりと舞わねばならない。
しかしこの曲が修羅場の立ち回りに用いるのかがとても不思議!
修羅場だからこそ、このしっとりした曲が良いのかも・・・

先日の鴈治郎襲名の公演で「封印切」を見た。
これは「梅川忠兵衛・冥土の飛脚」の二段目だ。
嫌われ者の八右衛門の挑発に我慢できず、ついに店の公金の
封を切ってしまった!  即刻死罪!!!
梅川を身請けし、落合う場所に急ぎ行く。
花道で死を覚悟し心の葛藤の場面、聞き覚えのある曲!
地唄の「ぐち」だった!
   ぐちじゃなけれど、これまあきかしゃんせ・・・・・・・♪
   たまに逢う夜の楽しければ・・・・・・♪
   逢えてうれしさ 別れのつらさ・・・・・・♪ 
舞うには、心の奥深さを現さねばならない。

山村楽正(85歳で他界)の「ぐち」を見たとき、愕然とした。
まぁ〜なんと! 品良くしっとりと毅然とした姿に感激した。

地唄舞・・・誰もが思い浮かぶのは「武原はん師」(95歳で他界)
武原はんと言えば「雪」
90歳過ぎても国立劇場で「雪」を舞っていた。

地唄舞を日本舞踊のように踊ってしまう人もいる。
同じ踊りでも「地唄舞」と「日本舞踊」とは違うのだ。

地唄舞は年を重ねれば重ねただけ、曲・唄の奥深さが分かり、
はんなりとした柔らかさ、品位と優美さがあり、変幻自在な舞だ。

 
地唄舞の奥深さを理解出来るようになった。
 


[No.6969] Re: 歌舞伎と地唄舞 投稿者:GRUE  投稿日:2015/02/04(Wed) 11:15
[関連記事

紫雲さん、みなさん、おはようございます。

紫雲さん、この部屋が期待するお手本のようなエッセイの投稿ありがとうござ
います。

何度も読み返しました。歌舞伎や舞踊といったことには理解の少ない私にも、
その奥の深さ、味わいの深さの一端に触れることができてなんだか暖かな
気持ちを持つことができました。

地唄舞というものを初めて知ったのも紫雲さんを通じてだし、メロウ倶楽部の
日韓交流会や、最近では2年一寸前に、東京両国での全国オフ大会で、紫雲さ
んにその妖艶な舞を堪能させていただいたのでした。

更に5,6年前に、新橋の新国立劇場で、お師匠さん葛タカ女の舞を見せてい
ただいてその到達された境地にしびれました。

最近、更に新境地に達せられたのではないかとも推察されます。

ありがとうございました。