朝の電車内の4人の女性−1
活動ホームにボランティアに行った9日朝のこと、道路が混んでいてバスが遅れ、 乗ろうとした電車に間にあわなかった。参加している倶楽部の会計のことで、活動 ホームに近いゆうちょへ行き、訊ねたいことがあったので急いでいたのだ。
いつもならそれほど混まないうしろのほうに乗るのだが、そんなことで降りるのに 便利な一番前に乗ったのだ。通勤ラッシュの時間帯は少し過ぎてはいるが、それで も9時1分のことで混みあった。
電車が到着したとき、気がついたのだが傘を杖の代りにつくようにして、乗りこむ お年寄りの姿があった。「こんな時間にここで乗るなんて! こんなラッシュ時に 危ないわ」と思った。 背の低い、帽子を被っているので歳の見当はつかなかったが、杖に使うのかと思う ような持ち方で傘をついていたのでかなりの年配と思われた。 電車が来て、その方もやっとこという具合に乗りこんだ。と、その女性が傘の柄を 上に持ち上げたのだ、ピンときた。つり革に掴まれないので、その傘をつり革に吊 るすのだと。その通りだった。通路の真ん中あたりから傘をつり革にかけて掴まっ ていた。あまりに混んでいて女性は見えなかったが、傘が斜めに下がっているのは 見えた。
乗ると、隣に40代くらいか女性が肩から大きなバッグを提げて立っていた。その バッグたるや硬いものだった。そしてすごい力で「どかないわよ」という具合に押 してきた。腕のあたりにぶつかり痛いといったらなかった。でも身を動かす場所も なかった。
私は背負っていたザックを下し、足元に置くように持った。こうすると少しすき間 が空くのだ。その女性もバッグをそうすれば1人入れそうなのにと思ったりした。
目を回すと、その女性の斜め、それこそ電車の一番前の隅にいた女性、この人は服 装では若いようだが、向こうむきになり眠っているのだった。コックリがすごく倒 れるのではないかと思うぼどだった。若いと思ったのは髪の形と、コートのせいだっ た。
3つのホームが過ぎて降りる駅に来たとき、隣の硬いバックを持った女性も降りる らしかった。そこで、ちょっと意地悪をしてしまった。左腕でぐっと押してしまっ たのだ。そんなことで彼女の降りる時間が少し遅くなったか? うしろを見かえ りながら「やったー」と思ったのだ。
ラッシュアワーの中で、このような4人の女性がいたことをどう思うだろうかと書 いてみました。
(つづく」
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