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[No.7839] とりかえばや物語 投稿者:男爵   投稿日:2017/03/31(Fri) 05:55
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とりかえばや物語
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「とりかえばや物語」
田辺聖子がやさしく現代文に書き直していて中高生向き。

平安時代にこんな作品があったとは。

田辺聖子は、作者は絶対女性だと述べている。たしかに女性心理の描写は、男性には苦手かもしれない。
田辺聖子は、(この物語は)女も才能があれば可能性が開かれるとして、フェミニズムを訴えているのが好ましいという。

性同一性という問題を指摘している点では、現代的。

物静かな兄が女として育てられ、活発な妹が男として育てられるという配置には驚いた。作者の着想に驚いた。

これを読むと、手塚治虫の「リボンの騎士」を思い出した。
リボンの騎士は、宝塚歌劇がヒントで、男装の麗人から、女の子でも(セーラームーンのように)アクションに活躍する少女たちの夢を漫画で表現したのでしょう。

「大鏡」と「東海道中膝栗毛」は原作も参考にして、まったく別のアクションどたばた劇にしたものです。 小学生向き。

「大鏡」の、道長が甥の伊周(これちか)との、弓の十番勝負のエピソードや
「東海道中膝栗毛」で、五右衛門風呂で釜の底を下駄で踏み抜く失敗も書かれている。


こういう本を入門書として
やがて本格的古典にめざめていくというのも、いいかもしれない。

大和和紀「あさきゆめみし」から大学国文科に進むケースも少なくないという。
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%8D%E3%82%86%E3%82%81%E3%81%BF%E3%81%97-%E7%BE%8E%E9%BA%97%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B9%E5%85%A5%E3%82%8A-%E5%85%A87%E5%B7%BB%E6%96%87%E5%BA%AB%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88-%E5%A4%A7%E5%92%8C-%E5%92%8C%E7%B4%80/dp/4069348522


[No.7851] 落窪物語 投稿者:男爵   投稿日:2017/04/09(Sun) 15:56
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落窪物語
画像サイズ: 600×428 (38kB)
落窪物語は
継母からのいじめにあう、平安朝のシンデレラの話。

この話は、なんでも枕草子にも出てくるとか。

氷室冴子は、吉本興業を思わせる楽しい話だと書いている。

私の読んだ感想では、
「細うで繁盛記」の花登筺みたいな筆の立つ
作者が書いたのではないかと思う。

格調高いというよりは、平安時代の大衆小説という感じ。

いじめる北の方は、幸せになったヒロインとその夫に対して
最後まで反省しない。 すっかり落ち目になっても。
自分の娘や息子たちは、(継子を)いじめすぎたから、こうなったので
母親が悪いと思っていても。

ヒロインを助ける夫と、ヒロインの世話をする女房とその夫
彼らがいたからヒロインは幸せになれたのだが
あの韓国のドラマの
チャングムの世話をしてくれるカン・ドック(姜コ九)と
その妻 ナジュテク(羅州宅)を連想してしまうのでした。