画像サイズ: 360×510 (52kB) | 現実の中国は、記憶のなかの中国とは大違いだが、むかしの中国人はエラカッタし、いい言葉をたくさん残している。
あっしの家は、親父が(国文や)漢学が好きだったので、夕食時にかならず中国の詩だとか、こうした名言の『講義』があった。
「赤壁の賦」など、あまりにも長いので、子供たちの間では、「辟易の賦!」と呼びならわされていた。
いまこの書を手に取ると、我が家の昔の夕餉の光景がたちどころによみがえってくる。
上巻には、「酒池肉林」や「他山の石」、「臥薪嘗胆」、「牛後となるなかれ」などが、中巻には、「焚書坑儒」、「四面楚歌」、「背水の陣」、「馬をよんで鹿という」、下巻には、「三顧の礼」、「虎穴に入らずんば」、などが収められている。
上巻の「太公望、魚を釣る」なぞはのち川柳にもなって、多くの日本人に親しまれたはずだ。
上掲の書は、まいにち、ヒマな折りにでも紐解けば、勉強にもなるしむかしの懐かしい思い出に浸ることもでき、一石二鳥だ。 |