タイトル | : 皆さんはどう思われますか |
投稿日 | : 2004/11/15(Mon) 18:09 |
投稿者 | : ポテト |
参照先 | : http://www.mellow-club.org/yokocho/mc462/mc462.html |
あるお医者さんが書いていた文章です。
このお医者さんの講演の後に
会場の傾聴ボランティアをしている女性から質問があった。
がんの遺伝子検査を受けたら「がん遺伝子を持っていることがわかった。
自分は、その悪い遺伝子を娘に伝えてしまった。娘に申し訳ない」
と苦しんでいる。さて、このボランティア女性は苦しんでいる
患者さんにどうすべきか。
このお医者さんの考えはこうだった。
悪い遺伝子を娘に与えてしまったと苦しむ患者さんは、娘に害を
与えたという加害の苦しみのなかにある。しかし、考えてみると
彼女は母親から悪い遺伝子を与えられた被害者でもある。
だとすると、悪い遺伝子をくれた母親を彼女自身はどう思って
いるのだろうか。
「こんな遺伝子を自分にくれて」と怒っているのであろうか。
それとも、「こんな遺伝子をくれた母親だけど、私は大好き」
と思っているのだろうか。答は彼女の人生にある。
このお医者さんは、質問を聞いていると、どうも「ただでさえ
嫌な母親なのに、こんな遺伝子までよこして」と怒っている
患者さんの姿が見えてくると書いています。
だから、「娘に申し訳ない」という苦しみは、あたかもその
患者さんとその娘さんとの間の問題のように見えるが、
このお医者さんには、患者さんの「お母さんのことを私は
どうしても好きになれないの」という悲痛な叫び声が聞こえて
くるような気がして、ボランティアの女性に「アドバイス
をしようとするのは止めなさい」と言いたかった。
だが、そうは伝えなかった。真正面から答えようとせず、
はぐらかすような対応をしたことを後からひどく後悔した
と書いています。