悠々世代 
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[No.303] 命の大切(3)の修正版 投稿者:   投稿日:2007/09/02(Sun) 14:14
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申し訳ありません。前篇の不備を直しました。いかがでしょうか。

「人間というもの」     2007.7.1〜9.2

 人間については、色々の作家が書いている。これ等に共通していることがある。人間というものは、ただひたすらに、このことの為に生きてきたように思う。人間の営みは多岐にわたり本質が判りにくくなっている。あらゆることはこの為にあるように思う。諸々のことをそぎ落とせば、このこと一点が残るように思う。

 それは、男と女がいて、愛し合って子供が生まれる。子供の自立のために、あれこれと親が心配をする。ただこのことだけで、世の中が動いている気がする。親は子供の不幸を望まない。これに優先できるものが果たしてあろうか。このことが政治・経済の本題にもなる。自然界をみると例外はあるが、ほとんどの生物はこの形態を採っている。最も象徴的で潔いのは昆虫類や魚類であろう。
 この形態をさまたげる行為は法律の有無に関わらず改めるのが自然の法則と思う。環境破壊もイカサマの食品加工も農薬も過重労働も少子高齢化も拝金も戦争や核兵器もこの観点からみるとおかしい。人間はひたすら子供の為に生きる。親も子もたとえ横道にそれても、ふと我にかえって、自分を取り戻す。
 これが人間の根本原理であり、人間の本質のように思う。あとのことは贅沢というもの。どんな美男美女でも、教養のある紳士淑女でも、あられもないことをする。これを封印すれば、今日の少子高齢化の騒ぎではない。人類の滅亡である。ただ、このことは暗黙の了解であって、秘密裏に行うのが慎みというもの。現代はこの慎みを邪魔者にして、社会を乱している。

 そして何人も死を前提に生きている。これは人間の大原則である。代々生きてきたからには、先祖への感謝と子孫への慈しみは理の当然である。そして、生きる目的の為には、生き方の問題がある。生き方の為には金と心がある。当然に金と心の目的にとって、手段がある。つまり金の儲け方と心の持ち方である。村上ファンドの村上世彰氏が金儲けの何処が悪いかと言ったが、金儲けは決して悪くない。しかし、金の儲けの手段に問題があることに気付いて欲しい。ホリエモンも似ている。この辺は東大でも教えないようだ。ただ、金儲けをして生きて死ぬだけでは、それ程意味がない。魂の進歩がなければ、生きる意味が薄い。生老病死や欲望の苦しみは、魂の進歩の為にあると思う。これは避けて通るより、乗り越えることで充実感がある。これが自然の法則ではないか。 

 人間は一見、不完全のままに見えるが、完全を目指して生きている。人間にとって、魂にとって、人生は一度ではない。これが、いわゆる輪廻転生説である。これはいまや実証されつつある。人生が一度きりでは、自分だけを考えて、やりたい放題で終わればよいことになる。人間の進歩にとって、肉体による生老病死は手段として貴重である。従って他の人生も当然貴重になる。自他を卑しめ、命を奪う権利は何人にもないことになる。「自分だけがよければよい」という個人主義や競争原理は、結局自分の首を絞めてしまう。他の為に働くのが自分の為になる。直接的な私利私欲ではない。

 人間にしか出来ない大事なことがある。それは「感謝」であろう。現在あるのは自分一人の力ではない。これまで育み、慈しんでくれた親や先祖や万物のお蔭を忘れてはいけない。親や先祖を恨むなどは、もっての外である。他の生物はいざ知らず、これは人間にしか出来ない誇るべきことである。

 さらに追加すれば、人間は割り切れない矛盾の上で生きている。人間は今や神の領域に入らんと言われる。原子力を発見し、殺戮の為の核兵器と人類に良かれと願った原子力発電を開発した。未だに放射能の後始末も出来ない。夜叉と菩薩が共存しているのが人間であろうか。子供が大人に成長する過程で、この矛盾をよく認識させておく必要がある。親も、学校も、社会も、この点をよくわきまえておきたい。
また、人間は誰しもよくなりたい、よくしたいと思って生きている。多少の矛盾や不完全があっても、いちいち、とがめるのは不幸で、且つ自己矛盾でもある。誰しも進歩の過程にある。大らかに許す度量もいる。しかし、止めさせることは断固として止めたい。怖くて、それも出来ないことが間々ある。歴史の判断に任せる前に、出来るだけの手を尽くすのが人間の知恵であろう。かく、矛盾があっても生きられる人間は不思議と言わざるを得ない。

 以上を要約すると、「生きる」とは、子孫を残す、そして魂の進歩、人智を尽くして潔く天命を待つ、の三つということになる。子供が自立した我々世代には最早、後者しかないと思われる。いろいろと考えてみたが、人間というものは、判った様で実に判らない。何故、宇宙に人類が誕生したのかも判らなくなる。ギリシャ・哲人のように、判らないことが判ったとしか言いようがない。


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