[No.60]
バルムの僧院
投稿者:男爵
投稿日:2010/04/27(Tue) 10:54
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同じ著者の「赤と黒」は昼の話で、「パルムの僧院」は夜の舞台が印象的であると書いてある本がありました。
美男の若い主人公は血気にはやって、政治的に危険な行動に出る。
そして囚われてしまう。
彼の命は明日がないかもしれない。
絶体絶命のピンチなのに、若い男は離れた決して手の届かない(おそらく声も十分には届かない)ところにいる若い娘に恋をしてしまう。
そして、困ったとき人間は知恵を働かせて、巧みに娘に合図を送り、コミュニケーションに成功する。
いっぽう
彼の身を心配する人たちがお金を使って苦労の末
牢獄から脱出させる。
自由の身になった彼は幸せになったはずだったが
あの囚われのときが一番幸せだったと言って周りを当惑させる。
人間の複雑さ、おろかさ、すばらしさを考えさせられた小説でありました。