[No.73]
中島敦著「山月記」
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投稿日:2010/05/03(Mon) 00:01
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これは素晴らしい作品。ぜひ一度読んで頂きたい。しかも今年の干支、トラの話である。というより、もと人間(=詩人)であった虎の悲しい物語である。
文章は、無駄のない、しかも含蓄に富んだもので、たかだか10頁ほどのスペースに、無限の内容が畳み込まれている。
角川の文庫では、巻末にこの作の元となった「人虎伝」が収録されている。ぜひ読み比べてみることをお勧めしたい。一読後、中島敦のこの作が原作に対して、決して引けを取らないことが、きっとお分かり頂けると思う。