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[No.445] 真実一路 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/05(Mon) 19:28
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「真実一路」は山本有三の作品だが
真面目すぎていささか読むのに疲れる小説である。

同じ作家の「路傍の石」のほうがまだ冷静に読める。

父義平と姉しず子と三人で暮らしている小学生の義夫は近頃反抗的だった。
年の離れた姉はやさしいが、父親はわがままを許さない厳格な性格の持ち主で何かというとあれこれ義夫を叱っていた。

母は亡くなったと聞かされているが、義夫はひょんなことから
もしや実母は生きているのではないかと考えるようになる。

姉のしず子は弟に母が生きていることを話すべきか迷っていた。
母は10年前に家を出て、今では愛人と暮らしながら、場末の飲み屋を経営している。

だが、姉しず子も縁談が自らの出生を理由に破談になったことを知り
自分の出生にも秘密があるのではないかと考える。

そのうち父の義平が亡くなり、残された遺書から、しず子は自分の出生の秘密と父母の真実を知る。

母は腹の中に死別した恋人の子(しず子)を宿したまま
やむなく義平に嫁いだのだった。

事情を知りながらも結婚した義平がいくらつくしても
死んだ恋人を忘れられない妻(しず子の母)は義平を愛することはなかった。

そうして、子を置いて家を飛び出したのは感情のままに生きる母の信じた道であり
逆に父は残された子と自らの理性を守り通したのだった。
 
作者自身も結婚に失敗した経験を持つ。
恩人に勧められた縁談だったが、相性があわず離婚した。

義平がしず子宛の遺書で
男女の相性の大切さ、真実に生きることの尊さを説いているのは
作者自身の経験によるものである。


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