[No.789]
Re: わが人生の歌がたり
投稿者:男爵
投稿日:2012/03/30(Fri) 07:10
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この時代の歌の文句を見てみると
働く者の権利や仕事の喜びをたたえた社会派のものが多かった。
このころはまだ、社会主義の未来についての健全な幻想があったのだろう。
歌謡曲は
「未組織労働者の『インターナショナル』だ」
とも言われていた。
五木の働いていたような中小零細企業には組合なんてない。
春闘なんて、おれたちとは関係がない、とひがむとこころがあり
歌謡曲こそが、弱い立場の人間たちの心をつなぐ組合歌だ
という気持ちが強かった。
五木自身、迷いや失望、ひがみ、そねみがごちゃごちゃになったなかで生きていたし
未組織労働者という立場が大きなハンディだった。
歌を歌うことで、ひがみやそねみをまぎらわしていた五木寛之。
「うたごえ喫茶」を拠点に広まった「うたごえ運動」も
大きな組織に属さず、ただ歌うことによってのみ連帯する弱い立場の人々に支えられて、発展していった。
五木は「川岸のベンチで」がロマンティックで好きな歌だった。
川岸のベンチで
http://bunbun.boo.jp/okera/kako/kawagisi_bench.htm