冬の食卓 いま・むかし 
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[No.163] Re: 食文化 投稿者:男爵  投稿日:2013/01/11(Fri) 15:22
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夏子さん、みなさん。

理屈っぽくてすみません。

もう少し続けます。

阿部謹也先生は中世ドイツの研究者で一橋大学学長も勤めました。

>  たとえばことばはその典型であるが、たとえば方言などと
>  いわれる地域のことばがあるが、
>  そのことばは、その土地に生まれ育った人間でなければ
>  100パーセントは使いこなせないものである。
>  (その地域のニュアンスや特性が反映されているから、
>  その雰囲気を十分知らないと、その土地のことばは十分使えない)
>
>  そして、そのことばを使うと、その土地の風景とか人情とか
>  その他がパッと浮かび上がってくる。
>  つまり、その土地のことばとは、感情を充分に包み込んだことばである。
>
>  そういうことばを使う人たちの集団があるわけである。
>  このような目に見えない絆と、ものを媒介とした関係の全体を、
>  阿部謹也先生は文化だと定義している。
>
>  このような、ものを媒介とする関係や、目に見えない絆によって
>  結ばれた人間の関係は、
>  人がいるところではどこでも成立するわけだから、
>  世界中どこにでも文化はある。
>  そして、その文化のあいだに上下はない。
>
> 食文化もまさしく、文化の特徴をもっている。
> だから、ある地方の食文化は、他の地方の人にはなかな理解してもらえないこともある。
> 食べ物の呼び名も文化だから、全国共通でないこともあるわけです。

故郷の山や海に対する思いがこめられた地名なども、
ものの名前にすぎないわけでであるが、
そこには思いがこめられている限り、
その土地の人だけがそのことばを聞いた瞬間に
その光景を頭に浮かび上がらせることができるのである。

その土地の人間にしかわからないという意味で、
非合理なものや不合理なものを含んでいるのである。

だれにでも理解し得るというわけにはいかない、その仲間にしか完全にはわからない
それが文化というもののもつ特性だということである。

その意味では、たとえば料理がひとつの典型である。
日本料理といういい方があるが、それは正確ではなく、
やはり郷土の料理、京都料理とか薩摩料理などというのが本当であろう。

ドイツ料理というものも実はないので、
あるのは地域の料理にすぎない。それを総称していっているだけである。

特定の土地に長く住んでいないとわからないような感覚の世界があって、
それを私たちは文化の世界というふうに一応いっております。

ところが人間関係のあり方はそれだけではなくて、
もうひとつ、文明がある。

文明とは、そういう文化の次元から一歩離陸した(客観的な)人間関係である。

つまり抽象的になるかもしれないが、具体的な地名などには
拘束されない人間関係のあり方があるわけである。

(文化とは特定の集団の共通理解のたまもの。
文明とは民族を越え、地域を越え、時代さえも
超えたものかもしれない)

(文化とは、特別な集団の中にしか存在しないものなら
歌謡曲、コミックなんかも文化かもしれない。
ファッションもそう。ルーズソックス文化、染毛文化、
ヤンキー文化)

文化と文明の違いも述べられているわけです。

関西と関東の食文化の違いが多くの人によって指摘されています。
富山は関東と関西の文化の境にあると言われています。
呉羽山がその境界だとか。

この部屋では
冬の食べ物を例に取りあげながら
日本各地の食文化の紹介をしたり
日本と外国の食べ物の違いとか、それらの関係を話し合ったりするのも
いいかと考えています。


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