[No.450]
Re: 戦艦ポチョムキン
投稿者:男爵
投稿日:2013/10/02(Wed) 05:58
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昴さん、みなさん
> 戦後直ぐにはなかなか見ることが出来なかった「戦艦ポチョムキン」、ロシア革命8年後の1925年弱冠27歳の
> ソ連の監督エイゼンシュタインの作品で、「映画の弁証法」とかいわれたりして一時期たいへん話題になっ
> た映画です。
> 彼の「モンタージュ理論・技法」に基づいた鮮烈な画面は極めてショッキングで、今でも記憶に鮮やかです。
> 赤ん坊を乗せた乳母車が駆け落ちて行くオデッサの階段シーンはとりわけ有名で、映画「アンタッチャブル」
> でも引用されているとかいいます。
「戦艦ポチョムキン」のオデッサの大階段の上から乳母車が転落するシ-ンなどは
すでに、さんらく亭さんが
「No.200] Re: 「江分利満氏の優雅な生活」で紹介していますが
私もこの映画はテレビで見たことがあります。
水兵の食事がひどいもので(なかには腐ったものもあった?)
これでは暴動も起きると思ってしまいました。
モンタージュ (montage) は、映画用語で、視点の異なる複数のカットを組み合わせて用いる技法のこと。
元々はフランス語で「(機械の)組み立て」という意味。映像編集の基礎であるため、編集と同義で使われることも多い。
モンタージュ技法とは、視点の異なる複数のカットを組み合わせて用いる技法なので
アメリカの映画監督グリフィスの考えたモンタージュでは
複数のカメラを用いて同時撮影し、同じ時刻に多面的な視点からの映像を見る
つまり現在のテレビのドラマでは普通に使われる方法ですね。
黒澤明の「七人の侍」の戦闘シーンで複数のカメラが使用された。
エイゼンシュテインのモンタージュはこれと違うようです。
とすると1台のカメラで写したものを、あとでつなげたということでしょうか。
1台のカメラで写すのだから、視点を変えてまた写してということなので
同じ時間に写したのではなく、多少の時間のずれがあったということでしょうか。
いずれにせよ
犯人の顔の再現に使われるモンタージュ写真をつくるようなものではないようです。
私は、モンタージュと聞くと、いくつかの要素を組み合わせて合成するのかと
思っていました。
合成するのはスーパーインポーズですね。
スーパーインポーズ(superimpose)
多重焼き付け - 複数枚のネガを重ね合わせて1枚の写真を得る技法。
日本語字幕 - 映像に重ねる字幕。
小津安二郎が代表作「東京物語」において別撮りのカット・バックを多用していたのも
モンタージュの一種だと説明しているものもありますが、どうでしょうか。
カット・バック
二つ以上の場面を交互につないで
切り返す場面転換の技法です。
(同一シーンで2人の会話を、1人ずつ喋る順番につないだとしても、それは
カットバックではない)
カットバックは、緊張感を高めるときに良く使います。
たとえば、クルマを運転している人物が歩行者を跳ねよう
とする場合に、運転手と歩行者の危機迫る表情を交互に
切り返すといった具合です。
もうひとつのカット・バックの説明に以下のものがあります。
たとえば具合の悪い子供を看病している母親が
見舞っている子供の友人と会話する場面があったとします。
通常はこの順番に編集しますが、次のように(順序を変えて)編集すると
意味が違ってきます。
http://ivcproduction.naganoblog.jp/e1173330.html
写したフィルムを編集の段階で手を加えると
観客の印象が変わるという説明でした。