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[No.3068] ガンジーを笑っていいのですか? 投稿者:   投稿日:2007/01/14(Sun) 13:32
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 マハトハ・ガンジーを茶化した映画がYoutubeを介して流れ、物議をかもしている。ガンジーは確かに、カースト制度の撤廃にまでは踏みこめなかったかもしれないが、非暴力・非服従主義を唱え、何度もノーベル平和賞の候補になった(受賞は、本人が断ったので行われなかったが)。

 また、ガンジー死亡の際には国葬で手厚く葬られた。そうしたインドの国父といわれる人物を、ふんどし一丁の滑稽な、ラップダンサーにして、みんなで笑っていいものか、考えるまでもないことだと思う。

 作者は謝ったそうだが、インド政府は、強い怒りをあらわにしているという…。またガンジーの生地、グジャラートでは、学生による抗議行動があったという。(鉄道線路への座り込み)

 みなさんは、この事件につき、いかがお考えですか?


[No.3069] Re: ガンジーを笑っていいのですか? 投稿者:35斉  投稿日:2007/01/15(Mon) 17:18
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唐辛子紋次郎さん 今日は

インドの歴史やガンジーに関する知識は中学時代の代物でしたから、
この機会に関連資料を二三読んで見ました。

35斉の記憶は、彼が「不服従・非暴力」という平和的手段によって、
イギリスから独立を勝ち取ったということ位の漠としたものでした。
その背景や彼の履歴を読み進むうちに、「不服従・非暴力」もさることながら、
其れを産んだ独特の「確固たる思想・哲学」が有った事を知りました。

彼は当時のイギリスが、インドで行った繊維産業の工業化・近代化が、
失業と貧困を生み出した事に、危機感をもち、その上で産業革命による、
劇的な工業化こそ悪の根源であり、自足自給の農村のような自然社会に戻すべきだ考え、
それを実行に移しました。
これが有名な写真「ガンジーの糸車」に現われています。

そして今、
「不服従・非暴力」は、キング牧師などの差別開放運動に引き継がれ、
「自然回帰」は、工業化の廃棄物汚染に悩む世界の環境保護運動に展開され、
「非殺傷」は、反戦運動、いやもっと高次元で日本国憲法9条にも生かされ、
「人間社会の有り方は競争でなく協力」は痛烈に今の市場原理主義批判となり、

かくしてガンジーの思想は21世紀にも生きていると思います。
でもお膝元のインドでは、現在空前の好景気に沸き、中国とともに、
GDP伸びは高水準(8.5%)を、記録しています。とても手作業や農村社会、
から想像もできない超発展国です。
今ガンジーが生きていたらなんと言うでしょうか?

ある経済アナリストは、中国では毛沢東の「自宅溶鉱炉」、インドでは、
ガンジーの「手巻き糸車」が共に国家の近代化の歯車を50年遅らせた。
其れが今日本との経済の遅れは中国が20年、インドが30年と、
迫っていると言います。

真偽は別にしても、現在のGDP伸び率で複利計算して見ると、
長期の数値リスクを、考慮すれば当たらずとも遠からずです。

   GDP(兆ドル) 伸び率(%) 20年後     30年後  
米:  11.6    4      25.4(兆ドル)  37.6
日:  4.6     1.     5.6        6.1
中:  1.9     10.    12.8       33.2
イ:  0.8     8.     3.7        8.1

さて、ガンジーのパロデーを書いた奴は、敬虔なインド青年達に、
捕まって、ガンジス川に投げ込まれてアップアップ!でしょう。
でも浮かび上がった時には「それでも、おれの漫画は生きている!」と、
叫ぶかも?

キリスト教徒であれば、列福者マザーテレサおばあちゃんと並んで、
聖者ガンジーとするほうが、ダイナマイト・ノーベル賞よりも相応しいと、
思いますが如何でしょうか?

                35斉


[No.3070] Re: ガンジーを笑っていいのですか? 投稿者:   投稿日:2007/01/16(Tue) 11:16
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  35斉さん、こんにちは。

> 彼は当時のイギリスが、インドで行った繊維産業の工業化・近代化が、
> 失業と貧困を生み出した事に、危機感をもち、その上で産業革命による、
> 劇的な工業化こそ悪の根源であり、自足自給の農村のような自然社会に戻すべきだ考え、
> それを実行に移しました。
> これが有名な写真「ガンジーの糸車」に現われています。
>
> そして今、
> 「不服従・非暴力」は、キング牧師などの差別開放運動に引き継がれ、
> 「自然回帰」は、工業化の廃棄物汚染に悩む世界の環境保護運動に展開され、
> 「非殺傷」は、反戦運動、いやもっと高次元で日本国憲法9条にも生かされ、
> 「人間社会の有り方は競争でなく協力」は痛烈に今の市場原理主義批判となり、

よく勉強されていますね。あっしのは付け刃です。(-_-;)ガンジーが何度もの投獄にも挫けず、自国の産業を興すことに力を注いだのは、とにかく立派なことだと思います。

 また、例の『風刺精神』ですが、「表現の自由」があれば、「宗教の自由」もあり、両者の間に優劣はない、とも思います。むかし、池田さんという人が、「自由と規律は表裏一体、」という趣旨のことを云ったように思いますが…。

 また、もうひとつ「聖と俗」という問題があります。(すべてを俗化し)聖なるものを認めない世の中は、はっきり云って「愚者の世界」ではないでしょうか?

 自己以外の者の信じる宗教を冒涜して快哉を叫ぶことを、英雄的な行為と考える風潮が、(イスラムや仏教にはないような気がします)今のキリスト教社会の一部(特にオピニオンリーダーとも云うべき新聞雑誌の関係者の間)に、ちょくちょく見受けられることは大変残念なことです。

 レス、ありがとうございました。 では、また。