画像サイズ: 254×510 (73kB) | 師走ともなればあっしのようなものでもケッコウ忙しくなるからフシギだ。きのうは、地元の美術館へ、きょうは地元のコンサートへ行った。ところで、
表題を「閑中忙あり」としたが、日ごろの癖でつい、「閑中忘あり」とやるところだった。(^_-)-☆あっしには、誰が考えても「忘」の字のほうが相応しいだろう。まず、
きのうの美術館のはなしから。じつはこの少女漫画家のことはあまりよく知らなかった。ただ、地元に住んでいるというので、散歩がてら、電車で一つめか二つ目の駅まで行き、その住まいを確認したことがある。
例の「ルパン三世」で有名なモンキー・パンチ氏も、あっしのようにモンがつくので、なんとなく他人のような気がせず、ふらふらと訪ねて行ったことがあるが、家は確かめられなかった。だが、やはり、パンチ氏の家もやっぱり、そのあたりだったらしい。真琴氏は、
1934年生まれだというから、もう80を越している。その家は、画廊と書いてあったが、なにか思ったより割と狭かったように記憶している。
この人の絵は、初めて見たとき、中原淳一を思い出させた。説明を読むとやはり、中原淳一に憧れて、この世界に入ったらしい。
例のウィキペディアにも、高橋真琴は載っている。一時は相当の売れっ子だったのではあるまいか。出品点数でも、美術館の2階と3階の2フロアを占領しているので、展示物は可なりの数にのぼるだろう。
著書の出版社も、講談社、小学館、PARCO出版など大手がずらり。美術出版社もあるとか。雑誌でも、たしかマガジンハウスの「ブルータス」があった。
雑誌にはあまり驚きはしなかったが、文具関係の仕事にはビックリした。絵描きなので、スケッチブック、画材関係、また、ノート、便せんは分かる。鉛筆で、コーリン鉛筆というのが出てきて、ああ、そういえば、そんな名前の鉛筆があったなと、懐かしかった。目録の分類としては『なつかしグッズ』に入っていた。書籍の場合は主に挿絵を描いているが、自分で文章も書いているものも、幾点かあった。クリスマス・カードなどという、今の時期にぴったりのものも展示してあった。
そのほか、当地に移転後は、市の恒例の行事になっている『チューリップ祭り』や、『時代まつり』などのポスターも手掛けている。
氏の描く少女は目に特徴がある。原画展と銘打ってあるので、原画はもちろん、下絵まで展示してあり、興味深い。洋画家などの油一本というのとは違い、じつに多種多様のものに、絵を描いているのは、見ていて退屈させない。
最近は、絵だけでなく、ドレスのデザインまでこなしているらしく、その赤いドレスもトルソーというのか、服をかける台につるしてあった。
出口近くに、『顏だし看板』というのが用意されまた、洒落た背景、洒落た白い椅子などが置いてあり、そこは撮影可能エリアになっていた。これは思うに、
観覧者に対するサービスはもちろん、観覧者がつい写したくなるような、大量のカワイイ女の子の写真にのぼせ上がり、ついシャッターを押したりしないようにと、館側で頭を絞った末のアイデアなのかも知れない。
それから、真琴さんは、世界の花嫁衣裳の連作を描いているが、それがみな、高橋流の美少女なので、これも一見の価値がある。おとぎ話、童話も日本昔話から、外国の、白雪姫、くるみ割り人形、ハイジ、オンディーヌまであって、これも十分楽しめる。
たしか、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」もあったはずだ。また、会場の入口や出口にも、可愛らしいアーチが作ってあって、館側の配慮がよく行き届いているように見受けられた。
「高橋真琴の原画展」は、会期が11月の14日から12月の23日までだから、まだ間に合うと思う。(つづく) |