まやさん こんにちは
今度は 耐震建築としての五重塔です。
1969年の映画 「超高層のあけぼの」を見たことがあります。
これは当時の耐震建築の権威である武藤清教授の指導で 日本にも高層建築時代が訪れたのですが 青年時代の武藤清が関東大震災にあい、東京がほとんど全滅したのに なんと 上野の寛永寺の五重塔だけが残っているではありませんか。
それを見て感動した武藤清が、やがて東大で研究した末に 柔構造理論にもとづいた高層耐震建築である 36階の霞が関ビルをつくりだすという話になっています。
しかし なぜ五重塔が地震に強いのかは、よくわかっていないようです。 五重塔の耐震性について書かれた本も世にありますが。
私が思うに ○木造だから、軽くて丈夫。(地震の力はその構造物の重さに比例する。正確に言えば質量に比例するわけですが) 重いコンクリートの構造物にはそれに比例した大きな地震力が働き、軽い木構造物にはコンクリートのものよりはるかに小さな地震力が働く。 ○五重塔の中は何も重い荷物など置いていない。構造物だけだから身軽で丈夫である。 ○五重塔の中心の柱は土台部分が雨水で朽ちている。柱は天井で支えられているが、床では支えられていない。その結果、振り子のように地震時に揺れる。この振り子は実は制震装置のように働く。
と色々書きましたが、すでにものの本に書いてあることです。
昔の建物でも丈夫なものは残っているので、これを研究することで 現代の耐震工学に役に立つこともあるでしょう。
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