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[No.67] ヴォルコールの人獣裁判 投稿者:   投稿日:2010/05/01(Sat) 10:21
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戦後間もなく、物の無い時代、貧乏でろくに本も買えなかった
ワタクシは、市役所の 巡回図書館で借りて読んだ、
ヴォルコールの「人獣裁判」が今も強く印象に残っている。

ニューギニアの奥地で新種の生物が見つかる。これは人間か
それとも猿の仲間か…。動物学会に於いて、宗教界に於いて、
医学会において、そしてマスコミに於いて…侃侃諤諤の論議
が沸騰するが、結論が出ないまま、時日の経過とともに結論
する事が 忘れ去られようとしている。

ここに独りの記者が、妻の了解を得て、彼の地に渡り、その
生物のメスと交わり、子供をもうけ我が家に連れ帰る。
その子がある大きさまで成長すると、記者はその子を殺害し
警察に出頭する。彼の殺人罪が成り立つか、否か…。
そのためには、否応無くその生物が人間か、猿かの 判定が
迫られる。記者の狙いはそこにあった。

再び世界は 結論への議論が沸騰することになる。
あるとき、独りの動物学者が、その動物たちが 木の枝で
作った奇妙なものを所持している事を 発見する。
日常使用する 道具らしき形跡はない。いろいろ検討して
みるとどうやら「護符」のようだ。

その動物学者は、その生物に「神の観念がある」として
明らかに 未開の人間 と結論付ける。

人間と動物の違いとは何か。その基準をワタクシに教えてくれた
これは貴重な著作である。

記者には殺人の動機が酌量されて 刑罰が科せられなかったのは
言うまでも無い。


             瀬里恵


[No.95] 紫禁城の黄昏・上下二巻 投稿者:   投稿日:2010/05/09(Sun) 12:41
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「紫禁城の黄昏」上・下  R・F・ジョンストン【著】 仲山理【訳】

清朝最後の皇帝「溥儀」は紫禁城を追われた後、故郷・満州国の「皇帝」
となるが それは世に日本の傀儡国家と信じられ、溥儀自身も「極東裁判」
に於いて「皇帝就任は自分の意志ではなかった」と戦勝国におもねる証言
をして、弟の「溥傑」からもその虚言を非難された。

この書は 1919年から(溥儀13歳)1925年まで、溥儀の家庭教師を務めた
ジョンストンが、溥儀を取り巻くチャイナ&満州の事情をつぶさに記述し
たものである。もしこの書が「極東裁判」で「証言」として取り上げられ
たらこの裁判は成立しなかったであろう。

日本が侵略国家として受けた不当な弾劾を正すためにも すべての人に
この書を読んで頂きたい。


             瀬里恵


[No.106] 幻の日本爆撃計画 投稿者:   投稿日:2010/05/14(Fri) 10:51
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「幻の日本爆撃計画」 アラン・アームストロング 著/塩谷絃 訳
          日本経済新聞出版社 刊

太平戦争直前 当時の米国大統領フランクリン・D・ルーズベルトは
1941年7月23日、「陸海軍合同委員会計画JB-355」と称する 宣戦布告
なしに日本を爆撃する計画を承認した。日本の真珠湾攻撃の一ヶ月前
の事である。

をでは何故この計画が 実行されなかったのは何故か…
当時のアメリカではまだ爆撃機の量産体制が確立していなかった処へ
英国から爆撃機の供与を求められていたために、爆撃基地の中国へ
配置する爆撃機が不足していたからだと言われている。

勝てば官軍 負ければ賊軍…何時の世にも膾炙される言葉だが 不当
に悪者扱いにされる日本。その裏に隠れた真実とはナンだったのか??
すべての日本人に読んでもらいたい一冊である。


              瀬里恵


[No.115] 第四の国難 投稿者:   投稿日:2010/05/25(Tue) 10:21
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   前野 徹 著 「第四の国難」 扶桑社 刊

……この第四の国難は、外圧と言うよりは 自ら決断する心を
失ったがゆえの危機である。日本はこのまま滅びるのか。……

GHQ の占領政策によって自主自立の尻コ玉を抜かれて腑抜けに
なった日本人への警世の書である。

なお、著者の前野徹氏は 読売・東京新聞などの記者を経て、
五島昇氏の秘書に抜擢され・懐刀として活躍された方である。

             瀬里恵