[No.7800]
スタイルズ荘の怪死事件
投稿者:男爵
投稿日:2017/02/17(Fri) 19:32
[関連記事] |
『スタイルズ荘の怪死事件』(原題:The Mysterious Affair at Styles)
https://www.amazon.co.jp/dp/406148608X/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=
1920年に発表されたアガサ・クリスティの最初の長編推理小説
名探偵エルキュール・ポアロの初登場の作品です。
ポアロは、第一次世界大戦でベルギーからイギリスに亡命した難民だった。
もちろん相棒のヘイスティングズも活躍する。
なんと
作者のポアロシリーズ最後の作品
『カーテン』(ポアロ最後の事件)の舞台もスタイルズ荘である。
とうぜん持ち主は第一作のときと変わっている。
作者はポアロを書くのがだんだん困難になって
登場させなくなった。
(あのシャーロックホームズもやはり作者が扱いにくくなり書きたがらなくなったのと似ている)
あまり特徴のある探偵を書くと、作品の構成において制約がありすぎて、自由に書けなくなるのだろう。
『カーテン』(ポアロ最後の事件)は作者の死ぬ前に書かれていて
いよいよ最後に発表するつもりだったという。
その作品の印税は彼女を支えてくれた夫や最愛の娘にプレゼントするつもりだった。
女流推理小説作家アガサ・クリスティの作品を読むと
いつも、どうしてこうなるのという印象だった。
作者の勝手な筋書き、意外な結末という印象だった。(読者には事前に知らされていない犯罪者の過去とか秘密とか)(つまりアンフェア)
でも、しようがないのだろう。
そんな中で
『オリエント急行の殺人』(1934年)と『そして誰もいなくなった』(1939年)だけは
あっぱれという作品だと思う。
こうしてみると
日本の山村美紗もなかなか健闘していたのだと思う。
アガサ・クリスティのアンフェアな書き方に対して、山村美紗も同様な印象だが
まだトリックとか、犯人当てのときの説明が合理的な面がある。
山村美紗を見直した。 というとアガサ・クリスティのファンから叱られそうだが。