[No.146]
眼福もこの徘徊が、あってこそ
投稿者:唐辛子紋次郎
投稿日:2014/05/16(Fri) 22:54
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一口に「心身」という。さほどに、心と体は密接な関係にあると云われる。そこで、心を常に安定した状態に保つことが、誰にでも求められる。毎日を鬱々として暮らしたのでは、散歩に出る気にもならぬ。
そこで、あっしは外出ついでに、見る喜びも一緒に味わおうとする。早い話、きのうはY駅近くの、Yビルにある某ホールへ出向き、水彩画の三人展というのを見てきた。
どこで貰ったか忘れたが、案内のはがきに「風景画を中心に45点ほど展示しておりますのでお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです」と書いてあった。
この三人の内、Z氏はたしか、新春美術展で見たお名前だ。じつは、おとついもこの会場へいったのだ。ところが、着いたのがチョット遅かったので、もうすっかり片付けてあって、見られなかったのだ。
会場へ入ると、なかに関係者が二人しかいなかった。はじめ二人してなにやら打ち合わせをしていたようだったが、あっしの姿を見ると、その内のひとりがつと立ち上がって、対応してくれた。
あっしは、最初目に付いた絵について感想を述べたが、話しているうち、相手はその絵の作者でないことが分かって来た。そこで、今度はその方の絵の説明をお願いした。
絵は壁面のほか、ホールの中央にもイーゼルに載せられて、何点かあった。あっしは、こういう展示もまた洒落ていていいですねと云うと、その方は、何しろ点数が多かったもので、と云われた。洒落ていたのではなく、掛ける場所が足りなかったのだ。
あっしがなぜ、最初の絵に惹かれたのか。それは、外国の風景で、大方は、あっしが実際に訪れた、国や町だったからだ。
こうして、見も知らなかった人と会話をするのも、ほんとうに愉しいし、その上勉強にもなっていい。この三人展に限らず、あっしは案内状さえ見れば、すぐ電車に乗って、どこへでも、ひょこひょこ出かけるのだ。
説明役のI氏から、帰り際に同展の出品目録と一緒に、他の展覧会のはがきを4枚も貰った。これは、なんとしても、都合をつけて、つぎつぎと徘徊の旅をこなさなければ、と、うれしい悲鳴をあげている。
絵を見るのは愉しいし、知らない人と話すのも、また愉しいのだ。