[No.868]
Re: 煙草と塩の博物館。
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投稿日:2008/12/29(Mon) 18:57
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いまは寄席、(浅草演芸ホール)やテレビで、宮田章司という芸人が江戸売り声専門ということで、その喉を披露しているらしいが、安藤鶴夫によれば、むかしは、「東京の町の売り声」というのは、落語家の古今亭今輔あたりが、寄席でやっていたらしい。
その売り声の一つに、羅宇屋のそれがあった。町の人はそれを時計代わりにしたよし。というのは、商売によって現れる時間が違っていたからだ。羅宇屋はいつも夕方にやってきたらしい。その売り声は、「ええ、 らおやアー すげかえ ええ らおのすげかえ…」というのだそうだ。☆
もう今では、羅宇のことを知っている人も、少なくなったはず。その証拠に、講談社の現代新書「死語」のコレクション(水原明人著)という本に収録されていることを見ればわかる。その本の「羅宇屋」と云うところを開くと、キセルは煙を通す竹の筒が細いので、何度か吸っていると煙草のヤニで穴が詰まる。そこで和紙を細く縒って穴の中を通し、ヤニを取らなければならない。
これが意外と難事業。素人にはうまくいかない。そこで羅宇屋の登場となる。ヤニを取るだけでなく、羅宇竹まで新品と交換してくれる。登場の合図にピーッと鳴る独特の汽笛を使う。刻み煙草の衰退とともに姿を消してしまった、と。
広辞苑をみると、羅宇屋(ラオヤ)はないが、老朋友(ラオポンユー)はある。これは冗談。(^_-)-☆
羅宇、羅宇替、羅宇竹と、ケッコウ沢山入っているのだ。ためしに、そのうちの「羅宇」をみると、(1)ラオスに同じ。(2)((1)から渡来した黒班竹を用いたからいう)煙管(キセル)の火皿と吸口とを接続する竹管。ラウ。「−竹」 となっている。
*(1)、(2)は、辞書では、円の中に数字ですが、機種依存文字のため、やむなくパーレンにしました。悪しからずご了承下さい。
☆安藤鶴夫「昔・東京の町の売り声」